帝京・前田監督が引退 甲子園51勝、今後は名誉監督に

坂名信行
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 全国高校野球選手権大会で2度、選抜大会で1度の優勝を誇る帝京(東京)を率いてきた前田三夫監督(72)が29日、今夏を最後に監督を引退したことを明らかにした。甲子園は2011年の夏を最後に遠ざかっていた。甲子園での監督としての勝利数は51勝(23敗)。後任はこれまでコーチで、同校教諭の金田優哉氏(36)。

 前田監督は「今年で監督になってちょうど50年ですから。体は元気ですが、だらだらやっても仕方ない。けじめをつけないといけないと思っていた」と語った。今後は名誉監督として同校野球部を支えていくという。

 今夏の全国選手権東東京大会の前に気持ちは固まっていたという。昨年の秋季東京都大会では小山台に0―10で六回コールド負けし、今年の春季東京都大会は1回戦の日本学園戦に1―5で敗れ、「どこまでチームを引き上げられるか。夏が最後のつもりでやった」。今夏の東東京大会は準決勝で二松学舎大付に2―4と競り負けた。試合後、「優勝できなかったが選手はよくやってくれた。もう少しでしたけどね」と悔しがっていたのが印象的だった。

 千葉県出身で木更津中央(現木更津総合)から帝京大に進学し、卒業後の1972年に帝京高の監督に就任した。「『甲子園に行こう』と言ったら笑われました。これではいかんと。当時の私はスパルタ指導でしたから。スタートが4選手からでした」と振り返る。甲子園の初出場は78年の選抜大会、そして89年夏に吉岡雄二らを擁して全国選手権初優勝。「最後の打者を三振に取ったときはぞくっとしました」。その後も92年の選抜、95年の選手権を制し、プロ野球選手も輩出した。「怒るときは怒る。選手とは体当たりで指導してきたがよくこの監督についてきてくれたと思います。みんなには感謝しています」と語った。

 引退については一部の関係者を除き、周囲には告げていなかったという。「まだ第103回大会が終わっていませんから。全部終わってからお世話になったみなさんにご報告しようと思っていた。でも昨日(28日)が(秋季東京都大会の)抽選会でしたので(分かってしまった)。さらっとやめるつもりでした」と言った。(坂名信行)