コロナに長雨…甲子園は投高打低に 接戦目立った大会

編集委員・安藤嘉浩
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(29日、高校野球選手権大会決勝 智弁和歌山9-2智弁学園)

 2年ぶりに復活した大会も、新型コロナウイルスの影響を受けざるを得なかった。チーム内に感染者が出た宮崎商が試合をすることなく甲子園を去り、東北学院も2回戦を辞退した。不戦勝(不戦敗)は全国選手権で初めてのことだった。

 両校選手の心中は察するにあまりある。どんなに対策をしても感染してしまう可能性がある。誰が悪いわけでもない。甲子園でプレーできなかった宮崎商には、何らかの舞台を用意してあげて欲しいと願う。

 悪天候にも悩まされた。順延は前例のない7度に及んだ。大阪桐蔭―東海大菅生は八回表の途中で降雨コールドゲーム、明桜―帯広農、近江―日大東北は降雨ノーゲームになった。

 3日連続で順延になった直後の15日は、第1試合の開始を約3時間遅らせ、第4試合の終了は午後9時40分。悪条件下でも選手がプレーできたのは、グラウンドを管理する阪神園芸のおかげであることを改めて記しておきたい。

 悪条件のもとでも球児たちは熱戦を繰り広げてくれた。松商学園と高松商は大正、昭和、平成そして令和と「4元号勝利」を達成し、歴史をつなぐ大切さを再認識させてくれた。

 コロナ禍で実戦不足と調整不足が重なり、「投高打低」の傾向が強かった。総得点367は過去20年間で2番目に少ない。2試合連続の渡辺(盛岡大付)をはじめ完封は9試合。1大会9完封は2004年の第86回大会以来の多さだった。

 ヴァデルナ(日本航空)、西村(智弁学園)、代木、吉村(明徳義塾)、當山(沖縄尚学)、森下(京都国際)、秋山(二松学舎大付)と好左腕が目立った。

 投手力に支えられ、接戦が多かった。46試合(不戦勝2を除く)のうち、1点差は13試合、2点差が12試合。サヨナラ試合は8試合を数えた。

 8強を西日本勢が占め、4強はすべて近畿勢に。近畿勢はもともとのレベルの高さに加え、悪天候で順延が重なっても、自校で練習できるという地の利もあった。

 決勝は智弁和歌山智弁学園の「智弁対決」になった。優勝を決めた智弁和歌山が歓喜の輪を作らず、控えめに喜びをかみ締めるシーンもまた印象的だった。(編集委員・安藤嘉浩