智弁和歌山監督、就任3年で全国V 貫く選手ファースト

滝沢貴大
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(29日、高校野球選手権大会決勝 智弁和歌山9-2智弁学園)

夏の甲子園優勝 智弁和歌山中谷仁監督

 2018年、甲子園通算68勝を挙げた高嶋仁さん(75)から監督を引き継いだ。就任3年目で母校を21年ぶりの夏の選手権大会優勝に導いた。

 智弁和歌山が1997年夏の甲子園で初優勝した時の捕手で主将。プロ野球の阪神や楽天などでプレーした後、高嶋さんから声をかけられ、2017年に母校のコーチに就いた。

 名将の後継という重圧は大きい。「結果が出なければたたかれる。しんどいことばかり」

 伝統を受け継ぎつつ、新しい取り組みも始めた。昨年は11月から1カ月余りの自主練習期間をつくった。プロ時代に「自分で考え、行動する」ことを学んだからだ。練習で野手が打球を顔に当てると、グラウンドの土を光の反射を抑えて球が見えやすい黒土に入れ替えた。

 2年前に寮をつくり、夫婦で切り盛りする。自ら夜食を作ってふるまうことも。

 「監督というより、いまも口うるさい主将の気持ちでいる」。ベンチ前で仁王立ちする姿がトレードマークだった前監督と違い、「心配性なので」と、試合中も次打者やバッテリーへの助言に動き回る。

 いつでも「選手ファースト」を貫く。優勝後のインタビューも「子どもたちがやってくれました」と、うれしそうに言った。(滝沢貴大)