小学生など4部門行われる 北海道吹奏楽コンクール

戸田拓
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 第66回北海道吹奏楽コンクール(北海道吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)最終日が29日、札幌コンサートホールKitara(札幌市中央区)であり、「小学生」の17団体、編成が35人以内の「職場・一般小編成」の3団体、65人以内の「職場・一般」の4団体が出場した。55人以内の「大学」の部の1団体は動画審査となった。各賞は次の通り(◎は全日本吹奏楽コンクール、○は東日本学校吹奏楽大会に出場)。

 【小学生】金賞=札幌南月寒、○札幌屯田西、網走、○北斗上磯、遠軽東、○木古内、音更、美幌・東陽▽銀賞=旭川永山、旭川北鎮、苫小牧緑・美園、釧路昭和、滝川第三、札幌札苗緑▽銅賞=芽室、旭川緑が丘、三笠

 【職場・一般小編成】金賞=髙橋水産吹奏楽団klingen、ウサミーナ吹奏楽団▽銀賞=釧路シンフォニックバンド

 【職場・一般】金賞=◎札幌ブラスバンド、◎滝川吹奏楽団▽銀賞=釧路町吹奏楽団▽銅賞=苫小牧市民吹奏楽団

 【大学】金賞=◎道教大函館

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 「ない!」。団体名のアナウンス中、札幌市立屯田西小ブラスバンド顧問の天日彰子(てんにちあきこ)教諭は舞台から突然退くと、コルネットの消音器を持って戻ってきた。「はらはらしました」と天日教諭。その後、児童13人は一糸乱れぬ演奏を披露し、東日本学校吹奏楽大会代表の座を勝ち取った。「緊張したけど、いい演奏ができました」と日野沢颯子(そうこ)部長(6年)は笑顔を見せた。

 東日本大会で金賞4回、昨年11月には日本管楽合奏コンテスト全国大会小学校部門で最優秀グランプリ賞を受けた強豪。だが、コロナ禍の影響もあり2年連続で新入部員が少なく、メンバーは半減。学校で練習できない日々が続いた。「21年指導してきたが、一番大変な時期だった」

 それでも、児童も保護者も「あきらめない」を合言葉に音楽を磨いた。石狩市の公共施設での練習には保護者が交代で車を出した。自宅練習は動画で天日教諭に送った。天日教諭は「もっとスタッカートを入れて」などと具体的に指示を返した。「先生の熱意が子どもたちを動かした」と保護者の菅原京子さん(46)は話す。

 天日教諭は「自分の音に責任を持つことを繰り返し伝えてきた。よくやり抜いてくれた」と児童たちをねぎらった。

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 職場・一般小編成で金賞を獲得した髙橋水産吹奏楽団klingen(34人)は、札幌市中央卸売市場で水産物卸売りをする1924年創業の「カネシメ髙橋水産」が64年につくった実業団が母体。同社財務部長の江端大作団長(55)は「水産卸の吹奏楽団は他に例を見ない」と話す。

 メインバンクだった旧北海道拓殖銀行(97年に経営破綻(はたん))の野球部が応援団をつくる際、同社がブラスバンドを提供することになり、当時の髙橋松吉社長が初心者を含む社員らに楽器を買い与え楽団を編成した。現在は一般団体として活動し、社員以外のメンバーが半分を占める。

 「活動に対する会社の理解に感謝している。切磋琢磨(せっさたくま)している他団体のためにも、いい演奏をしようと思った」と江端さん。他の団体がコロナ禍による公共施設の休業などで練習場の確保に苦しむなか、髙橋水産の関連会社で防音設備の整った会議室を借りられた。

 団の目標は、音量よりも良い響き。自由曲「古都―四季の彩り」では、弱音合奏の美しさを聴かせた。「地区大会での反省点を、修正して実行できた」。打楽器の工藤直美さん(42)は満足そうだった。(戸田拓)