イスラエル、ワクチン3回目を促進 12歳以上にも拡大
イスラエル政府は29日、3回目の新型コロナウイルスのワクチン接種の対象を12歳以上に拡大することを決めた。ワクチン接種証明についても、2回目接種から6カ月が経過すると、失効させる。追加接種で免疫力を高める「ブースター」を促す狙いがある。
イスラエルでは今月1日から、60歳以上の高齢者を対象に3回目接種を始めた。その後、30歳以上に対象を拡大。これまでに人口の約2割にあたる約200万人が3回目を接種している。2回目の接種から5カ月が経過していることを接種の条件としている。
「グリーンパス」と呼ばれるワクチン接種証明を発行し、飲食店などを利用する条件としているが、10月1日以降は2回目の接種から6カ月経つと、3回目を受けない限り失効となる。
イスラエルでは世界一のペースでファイザー製のワクチン接種を進めてきたが、今年6月下旬以降、感染力の強いデルタ株の影響で感染が拡大。今月24日には1日の新規感染者数が1万人を超えた。政府はワクチン未接種者への接種や、3回目接種の呼びかけを強めている。ベネット首相は29日、「3回目接種は有効だ。重症化の増加はゆるやかになっている。すべての市民が3回目を接種しなければいけない」と述べた。
イスラエルの保健機構は今月18日、3回目を接種した60歳以上について、2回接種の人に比べ、発症を86%減らす効果があったとする暫定的な結果を発表している。(エルサレム=清宮涼)

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