智弁和歌山・宮坂主将、甲子園で復調 苦境越え日本一に

滝沢貴大
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(29日、高校野球選手権大会決勝 智弁和歌山9-2智弁学園)

 試合の流れをつかんだのは、智弁和歌山主将で先頭打者の宮坂厚希君(3年)だった。「浮いた球をどんどんスイングしていこうと打席に入った」。試合開始のサイレンが鳴り響く中、初球のスライダーを振り抜き、中堅への二塁打を放つ。味方の安打で進塁し、犠飛で先制のホームを踏んだ。

 このチームは、苦しいスタートだった。県内のライバル・市和歌山に新人戦、秋季県予選、近畿大会で3連敗。選抜大会出場も逃した。「自分がチームを引っ張りたい」。近畿大会後、新たに主将になった。走攻守とも高い実力を見せ、背中で仲間を引っ張ってきた。

 春までは3番を打つことが多かったが、最後の夏を前に1番打者を託された。「出塁することでチームを勢いづけるし、得点にもつながる」。和歌山大会では打率2割3分。思った通りの結果を出せなかった。「甲子園では、とにかく塁に出ることを大事にしたい」。大会前、そう意気込んでいた。

 甲子園では好調だった。準決勝の近江戦では二塁打を含む4安打を放つなど、「切り込み隊長」としてチームに流れを引き寄せた。

 この日、六回には1死一、三塁の好機で右前適時打を放ち、力投のエースを助ける貴重な追加点を挙げた。

 苦境からのスタートで、「日本一のチームの主将」になった宮坂君。「試合をしていく中で、全員が少しずつ一つになっていった。全員野球が優勝につながった」。そう喜びをかみしめた。(滝沢貴大)