中部空港島の愛知県国際展示場多目的広場(同県常滑市)で28と29日に開かれた野外音楽フェスティバルで、新型コロナウイルスの感染対策が不十分なうえ酒も提供したとして、大村秀章知事が30日、「極めて問題だ。このフェスは今後やってもらっては困る」と怒りをあらわにした。
県によると、特に問題視する29日のフェス「NAMIMONOGATARI2021」は、名古屋市内の業者が2005年から県内の海辺中心に実施。昨年はコロナで中止され、今夏に初めて同広場で開いた。会場は約3万平方メートルで、29日分は6千枚が販売済み。スポンサー配布分2千枚と合わせて最大8千人規模という。
県は会場で撮影された映像や展示場運営会社にも聞き取りし、観客同士の距離確保ができておらず、酒も提供していたと確認した。
当初は1万人規模の想定で主催者から3月に申請があった。「まん延防止等重点措置」の適用後、県は今月12日、主催者にチケット販売停止を指示したという。愛知県は感染拡大が止まらず、27日から政府の「緊急事態宣言」対象で、イベントの観客制限は「定員の50%かつ5千人まで」とされている。
県と展示場運営会社は、主催者との協議で密の回避、酒の販売停止を求めたが、主催者は「検討する」と述べるばかりだったとしている。大村知事は30日の記者会見で「再三、指示や要請したことが守られていない。主催者と展示場運営会社に厳重に抗議する。今後この業者には県所管施設でのフェス開催は許可しない」と話した。一方で、「要請を守って一生懸命やっている人が迷惑を被るのは違う」と述べ、イベントのさらなる開催制限はしない考えを示した。
県は同日付で大村知事名で抗議文を送った。「県民や医療従事者の努力を踏みにじるもの」とし、早急に事実関係を確認して県への報告と公表を求めた。
県には1週間ほど前、「身内…

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