市民への米軍の「誤爆」、報復テロの火種に 遠い平和

有料会員記事アフガニスタン情勢

バンコク=乗京真知 ワシントン=園田耕司
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 アフガニスタンで29日に実施した対テロ作戦の空爆をめぐり、米軍が民間人に犠牲者が出た可能性を認めた。民間人の巻き添えは、憎悪の連鎖を生みかねない。米軍は調査をするとしているが、イスラム主義勢力タリバンが支配するなかでの調査は困難な状況だ。

 住宅街の中庭にがれきが散らばり、黒こげの車の残骸が横たわる――。アフガニスタンの地元メディアは29日、米無人機ドローン)の空爆の被害を受けたとされる住宅街の様子を動画で伝えた。周囲の家の窓ガラスは吹き飛び、壁には無数の破片がめり込んでいた。

 「爆撃された弟は、貧しい人たちに大豆を配ってきたNGO職員です」。兄を名乗る男性が地元テレビ「トロ」の取材に応じ、弟は過激派組織「イスラム国」(IS)とは何の関係もない一般市民だと訴えた。車の中で遊んでいた子どもたちも犠牲になったという。

 同国では市民の犠牲をいとわない空爆が20年間続いてきた。過激派の居場所をつかんだ米軍が、周囲の住民もろとも爆撃するケースが目立つ。遺族は泣き寝入りを強いられてきた。

 国連アフガニスタン支援団の統計などによると、2001年から今年6月末までに犠牲になった市民の数は約4万9千人に上る。その大半は戦闘やテロによるものだが、空爆の犠牲も多い。

 米国のトランプ前政権が空爆を強化した19年には一時、米軍やアフガン政府軍に殺された市民の数が、タリバンなど武装勢力に殺された市民を上回っていた。

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