北朝鮮、核施設を再稼働か IAEA報告が「兆候」指摘

ソウル=神谷毅
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 国際原子力機関(IAEA)は、北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)の核関連施設を再稼働させた可能性があるとの報告書をまとめた。この施設の稼働の兆しがとらえられたのは2018年12月以来とみられ、米国のバイデン政権や国際社会にとって新たな課題となりそうだ。

 9月の年次総会に向けて北朝鮮の核関連活動を分析した報告書は、兵器級プルトニウムを生産できる5メガワットの黒鉛減速炉について、「18年12月上旬から21年7月初めまで稼働した兆候はみられなかったが、その後は冷却水の排出など再稼働の兆候がある」とした。

 使用済み核燃料の再処理施設「放射化学研究所」については、蒸気プラントが今年2月中旬から7月上旬まで5カ月間にわたって動いたという。この期間は、再処理に必要とされる期間と一致すると指摘した。

 IAEAは、原子炉や再処理施設の再稼働をめぐる今回の兆候について深刻な憂慮を示したうえで、「北朝鮮の核開発は国連決議の明確な違反だ」として深い遺憾の意を示した。IAEAは09年に査察要員を北朝鮮から退去させられており、立ち入りができない。その後は公開情報や衛星画像などをもとに分析を続けている。

 北朝鮮金正恩(キムジョンウン)総書記は今年1月の朝鮮労働党の党大会で「核兵器の小型軽量化、戦術兵器化をさらに発展させる」として、核開発の意思を明確にしていた。(ソウル=神谷毅)