メダルの価値「大きなものに」 競泳富田、3人抜きで銅

榊原一生
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 残り50メートルで、3位の選手からは約3秒離されていた。男子200メートル個人メドレー(視覚障害SM11)の決勝。最後のターンで6位だった富田宇宙は、得意の自由形にすべてをかけた。「気持ちと気合を込めた」。0秒53差で表彰台に滑り込んだ。

 苦手種目の改善が、最後の追い上げを可能にした。2種目めの背泳ぎでは水の抵抗を減らすために足の位置を高く保てるようフォームを修正。腕をかく位置を少し体から離すことで、スムーズに旋回できるようにした。3種目めの平泳ぎでは腕の動きによる推進力を高めた。効率のよい泳ぎで体力の消耗を防ぎ、勝負どころで力を発揮した。

 自己記録を0秒89更新しての結果にも、「もっと大きな自己記録の更新を狙っていた。技術的には全部発揮できたとは言えない」と満足はしていない。

 初出場の今大会、400メートル自由形(視覚障害S11)の銀に続く二つ目のメダルを手にした。「ここでもメダルをとって、次のレースはさらに多くの人に見てもらえる。メダルの価値はより大きなものになっている。泳ぐ幸せを感じています」。注目度の高さゆえに、多くの人と喜びを共有できるパラリンピックの魅力を、かみしめている。(榊原一生)

木村に異変 初戦は失速で5位

 男子200メートル個人メドレー(視覚障害SM11)で木村敬一は、体の異変を感じていた。最後の自由形で「(腕が)動いていない」。得意とする1種目めのバタフライで勢いよく飛び出したものの、「平泳ぎと自由形でテンポが上がらず、失速してしまった」。5位に終わった。

 これまで3大会に出場し、六つのメダルを獲得。唯一、手にしていないのが金メダルだ。今大会は初の頂点を見据え、出場種目を三つに絞った。最初のレースを終えて言った。「メダルをとって安心したかったのが正直なところ。でも、金をとるという目標はぶらさずにやっていきたい」