「夫婦で葬式、見ていてつらい」 車で酩酊の少年に実刑

有料会員記事

戸田和敬
[PR]

 広島県庄原市の国道で今年2月、無免許のうえ酒に酔った状態で車を運転し、高齢の夫婦を死亡させたとして、自動車運転死傷処罰法違反(無免許危険運転致死)と道路運送車両法違反(無車検)の罪に問われた三次市の無職の少年(19)の判決公判が30日、広島地裁であった。日野浩一郎裁判長は懲役7年以上10年以下(求刑懲役8年以上13年以下)の不定期刑を言い渡した。

 判決などによると、少年は2月7日午後4時10分ごろ、庄原市西城町大佐の国道183号で、飲酒して乗用車を運転し、対向車と正面衝突。軽乗用車を運転していた同町小鳥原(ひととばら)の岡田和歌子さん(当時80)と夫の重紀さん(同85)を死亡させた。

 少年は6月の初公判で起訴内容を認めた。検察側の冒頭陳述などによると、少年は当日、寝起きに350ミリリットルの缶チューハイを半分飲み、午前9時40分ごろから約4時間半、缶チューハイ3本やウイスキーの水割りをコップ2杯ほど飲んだ。その後、車内などで缶チューハイ2本やビール系飲料1本を飲んで、50キロ以上運転。法定速度が時速50キロの道路を70キロ以上で走行し、事故を起こした。少年は無免許で、兄から譲り受けた車は車検切れだった。

 7月15日の被告人質問で少年は「(飲酒は)少しくらいなら大丈夫だと思った」と話した。最終陳述では「自分の身勝手な行動で命を奪ってしまい申し訳ない」と遺族に謝罪した。弁護側は少年が反省の弁を述べていることなどから情状酌量を求めた。

 判決は、「被告は足がもつれるほどの酩酊(めいてい)状態となり、危険を感じた同乗者に交代を提案されながらも断った」と指摘。「運転は危険性が高く、交通法規を無視した意思決定は強く非難されるべきだ。何の落ち度もない2人の命が失われた結果は重大だ」とした。弁護側は、少年が求刑後に「刑を受け入れる」と申し出たとして、控訴しない方針を明らかにした。

     ◇

 この事件をめぐっては、同乗者の少年も道交法違反(無免許・酒気帯び運転同乗)の罪で三次区検が略式起訴。三次簡裁が罰金30万円の略式命令を出した。

「いつも仲の良い夫婦だった」

 片側1車線の道路脇を西城川が流れる事故現場。激しく損傷したガードレールは新しくなり、事故の傷痕はうかがえなかった。

 岡田さん夫妻は、現場から1…

この記事は有料会員記事です。残り645文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら