伐採寸前のブドウ、酪農会社が引き継ぎ収穫 京都・綾部

大野宏
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 京都府綾部市井倉町で約30年間続いてきたブドウ農園を、同市佃町の酪農業「ビッグツリーファーム」がこのほど承継した。初めて収穫したブドウは今月5日から直売されている。

 この農園は広域農道沿いにあり、地元の家族が長年ブドウなどの果物を育て、農道脇の建物で直売してきた。味の評価は高く、毎日すぐ売り切れる人気だったという。しかし、体力の限界を理由に、昨夏の収穫を最後に閉園することに。今年1月からブドウの木を伐採し始めた。

 この話を知ったのが、ビッグツリーファームの関係者。同社は山間部の牧場で約600頭の乳牛を飼っており、近くで水田を借りてコメの出荷を始めるなど、農業にも手を広げている。ブドウ生産を引き継ぎたいと農園側へ持ちかけ、翌週切るはずだったブドウの木約150本と、土地建物をまとめて借りた。

 ビッグツリーファームの水田を管理する岡本侑也さん(38)が中心となり、前園主に教わりながら育て始めた。「田んぼと違ってすごく細かい手入れが必要で、放っておく時間がほとんどない。今年の夏はブドウとばかり向き合ってた感じです」

 巨峰系の黒ブドウ4品種を栽培し、極早生(ごくわせ)の「ブラックビート」から出荷を開始。朝5時、夜明けとともに完熟した房だけを収穫し、すぐ店頭で売る。前園主から「焦ってやったらあかんで」とアドバイスをもらった岡本さんは「収穫時の見極めがまだまだ難しいです」。初日、約30房は1時間弱で売り切れた。

 「1年目の僕らが作ったブドウがこんな勢いで売れてびっくり。元々の木が良く、土にもこだわってこられた評判が大きい。その分味を落としてはいけないプレッシャーがあります」と岡本さん。主力の「藤稔(ふじみのり)」の出荷は今月中旬から本格化している。

 既にブドウが切られた空き地には、白ブドウのシャインマスカットを植えた。以前販売していたカキやスモモも手入れをし、将来的に復活させたいという。

 毎朝午前8時から、収穫分が売り切れるまで営業する。問い合わせは岡本さん(090・1586・2100)まで。(大野宏)