領海の航行ルールを厳格化 中国「改正海上交通安全法」が施行

北京=冨名腰隆
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 中国領海での航行ルールを定めた「改正海上交通安全法」が1日、施行された。海上交通の安全と監督を担う海事局の権限強化を図り、危害を及ぼすと判断した外国船に対して目的地などの報告を義務づける。中国周辺海域での航行にどのような影響を及ぼすかが注目される。

 法律を所管する交通運輸省は1日、傘下の官製メディアの報道を通じて「海上安全保障能力の向上に重要な意義を持つ改正だ」と強調。対外貿易の貨物運輸で海上輸送が9割以上を占め、年平均で延べ2500万隻の船舶が港を利用する現状から「監督管理を強化し、サービス構築につなげる」とした。

 海事局が8月27日に発表した公告によると、領海を航行する外国の潜水艦や原子力を動力とする船舶、危険物を運ぶ船などに対し目的地や搭載内容の報告を義務づけた。指示に従わなければ退去させる権限も有する。「中国の海上交通安全を危うくする可能性のある船舶」も対象に含まれており、線引きはあいまいだ。

 中国は領海法で尖閣諸島南シナ海の諸島を自国領土と定めており、周辺海域も法適用範囲となる。だが、係争地域でどのように運用されるかは不透明だ。中国の海洋研究者は「法執行機関の海警局と海事局は役割が異なる。改正法が及ぼす影響は限定的だ」と分析する。(北京=冨名腰隆