「未来ある命、断ち切られた」歌舞伎町火災から20年、現場に花束

角詠之
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 44人が犠牲になった東京・歌舞伎町のビル火災は1日、発生から20年を迎えた。ビルの跡地では時折激しい雨が降るなか、遺族の一人がこの日に合わせて「44名の大切な命」と書かれたメモとともに花束を手向けた。火災は放火とみられるが、時とともに記憶の風化が進む。立ち止まったり、手を合わせたりする人はほとんどいなかった。

 ビル4階の飲食店従業員だった次女(当時23)を亡くした新潟県の女性(71)は1日、自宅で追悼した。ビル内の避難経路に多くの荷物が置かれていたことが被害を拡大した一因とされるが、歌舞伎町では状況の改善が進んでいないビルも多い。「夢や未来のある若者の命が断ち切られた」と女性は話し、ビルやテナントの関係者に「我が身に置き換えて考えてもらいたい。安全対策に力を入れ、命を失わないで済むようにしてほしい」と呼びかけた。

 現場近くのガールズバーで働く女性(22)は8月31日深夜、客との会話の中で初めて火災について知った。店で出たごみをビルの非常階段に置いたこともあったが、「怖いと思った。今後は気をつけたいと思う」と話した。(角詠之)