漫画家みなもと太郎さん 幕末を描くはずが関ケ原から1万3千ページ

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小原篤
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 漫画家みなもと太郎さんが8月7日、74歳で亡くなった。40年以上にわたり描き続けた歴史大河ギャグ漫画「風雲児たち」は、約1万3千ページの壮大な旅の末、未完に終わったが、漫画史にそびえ立つ金字塔の地位は揺らがない。漫画担当記者として折々に触れてきた、みなもとさんの言葉と姿を振り返る。

 「こんなに面白い歴史を、学校ではどうしてあんなつまらなく教えられるのか分からない」

 2004年に手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)の特別賞を受賞した時、記者にこう語った。本心から不可解に思っているようだった。実際、序盤のハイライトである「解体新書」刊行の苦難のドラマは涙なくして読めない。蘭(らん)語(ご)に挑む杉田玄白、前野良沢らはベタなボケをかましつつ一語の意味を探し求め、絆を深める。そこに悲劇の天才・平賀源内や無双の剣士・林子平も絡む。そんな風に、「歴史があみ上げていく奇跡のような人間模様」が大河となって流れていった。

 1979年の連載開始時、幕…

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