政治資金収支報告書のオンライン提出を 弁護士らがデジタル庁に要望
デジタル庁が9月1日に発足したのを受け、弁護士や研究者らでつくる公益財団法人「政治資金センター」(大阪市)が同日、政治資金収支報告書のオンライン提出を促進するよう求める文書を、同庁や菅義偉首相などに送った。
政治資金規正法は、国会議員が関係する政治団体が総務省や各都道府県の選挙管理委員会に提出する収支報告書について、オンラインで提出するよう努力義務を課しているが、多くの政治団体は紙で提出している。朝日新聞の取材では、2019年分の収支報告書をオンラインシステムを使って提出した政治団体は約1%にとどまっていた。
政治資金センターはこれまで、情報公開請求で入手した過去の収支報告書を光学式文字読み取り装置(OCR)で読み取り、記載内容を検索できるようにしてホームページ(https://www.openpolitics.or.jp/)で無料公開してきた。ただ、手書きで不鮮明な文字があり、正しく読み取れていない収支報告書もあるという。
収支報告書が電子データの形で提出されれば、インターネット上で公開しやすくなり、だれもが検証できるようになる。同センターは、総務省や選管職員の労力の削減にもつながるとして、オンライン提出を促進するよう訴えている。
共同代表を務める阪口徳雄(とくお)弁護士は「収支報告書の提出はデジタル化が遅れている分野だ。社会が動き始める時に政治家が先頭を切ってこそ、政治への信頼につながる」と話す。(米田優人)
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- 【視点】
これは本当に重要なことだとおもいます。電子データで提出されればいろんなことに道がひらけます。政治家が先頭を切る、本当にその通りです