1カ月で入院患者69人死亡 大規模クラスター、沖縄の病院で何が

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光墨祥吾 寺本大蔵 福井万穂
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 沖縄県うるま市の民間の精神科病院で、入院患者の6割以上にあたる173人が新型コロナウイルスに感染する大規模なクラスター(感染者集団)が発生し、患者の男女69人が亡くなった。精神科病院特有の事情と県内の医療逼迫(ひっぱく)が重なり、約1カ月という短期間での感染拡大につながったとみられている。

 病院は「うるま記念病院」(270床)。入院しているのは多くが70代以上の高齢者で、認知症統合失調症などの患者が多いという。

 病院の説明では、職員と患者計2人の感染が最初に確認されたのは7月19日。当時、約100人の職員が働き、ベッドは満床状態だった。病院では感染を最小限に食い止めるため、対策本部を設置。外部の医師らも応援に入った。

 しかし、患者の感染は7月30日までに122人に広がり、5人が死亡。8月に入っても増え続け、8月18日時点で感染患者は173人。県によると、高齢の患者69人が亡くなった。

 厚生労働省によると、最近で把握している100人以上のクラスターは、北海道で開かれたアイスホッケー大会(138人)や福井県の事業所(101人)があるという。うるま記念病院のケースは全国的にも大規模なクラスターとみられる。

ワクチン接種や感染対策、精神科特有の事情

 感染が急拡大した要因の一つは、高齢患者の多い精神科病院という特徴にあると、県や病院の担当者はみる。

 感染が初めて確認された7月…

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