空港混乱に自爆テロ…それでも自画自賛 バイデン氏、米軍撤退を総括

有料記事アフガニスタン情勢

ワシントン=園田耕司、合田禄
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 アフガニスタンからの米軍撤退完了を受け、バイデン米大統領は8月31日、米ホワイトハウスで国民向けに演説し、「米国史上最長の戦争を終わらせた」と述べた。混乱を極めた市民らの退避作戦については「並外れた成功だった」と総括した。

批判、トランプ前政権に矛先

 演説で際立ったのは、バイデン氏の自画自賛と正当化の繰り返しだった。バイデン氏は退避作戦を「慈善の任務」とし、「歴史上、どの国もなしえなかった。米国だけが能力と意思を持つ」とその規模と成功を強調した。

 だが、実際には空港は大混乱に陥り、米軍機にしがみついた市民が振り落とされるという悲劇も起きたうえ、自爆テロで多数の犠牲者が出た。さらに米軍は空爆で民間人が巻き添えになった可能性を認めている。

 米軍の拙速な撤退が混乱を生んだと批判を受けるなか、バイデン氏は「私の前任者がタリバンと合意していた」と強調。トランプ前政権がタリバンとの間で5月までの撤退で合意したことに矛先を向けた。この合意のために選択肢が制限され、「撤退するか、事態をエスカレートさせるかという決断を迫られた」と訴えた。また、政権を引き継いだ時点で「タリバンは(20年間で)軍事的に最も強い状態にあった」とした。

 撤退期限をめぐっては、国内外から延長を求める声が相次いでいた。バイデン氏は演説で、延長しなかった自身の判断について、政権高官や米軍高官らの「全員一致の助言に基づいた」と説明。「彼らの助言は、最も安全に残された米国人らを国外退避させる方法は、米軍駐留の継続ではなく、非軍事的な手段を用いることだった」と語り、専門家らの意見に従ったという姿勢を強調した。

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 一方、アフガニスタンに残さ…

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    佐橋亮
    (東京大学東洋文化研究所准教授)
    2021年9月2日10時42分 投稿
    【視点】

    強烈な違和感を感じる演説でした。記事にもあるように、撤退、民間人退避を成功と言い切り、何回も自らの決定の正しさを「この点ははっきりさせたい」「要点は」というフレーズで訴えました。残された米国市民に関しても、国を離れるように警告し続けた、彼ら