選挙で自分の一票を託す人をどうやって決めていますか。政党、政策、人柄……。考えるべきことが多すぎて迷います。そんな時、一つの判断材料になるのが「保守」「リベラル」「革新」、あるいは「右」「左」というイデオロギーの違いです。「あの候補者は『保守』だから」、あるいは「『リベラル』だから」。でもその違い、本当にわかりますか? 政治学者の遠藤晶久・早稲田大学准教授によると、ある世代を境に、受け止め方がずいぶん違うそうです。衆院選が近づく今、遠藤さんに聞きました。
――イデオロギーを示す言葉の意味が、最近わかりにくいと感じます。
「保守とリベラル、保守と革新など政治意識の対立を意味するラベルは、政党の性格を理解するための道具です。本当の『保守』『リベラル』とは何か、という議論は、政治対立の理解にとって必須ではありません。『保守系の候補』ならばこんな政策を支持するだろうといったように、有権者が把握するためのコミュニケーションツールです」
「2017年の衆院選では、小池百合子東京都知事が立ち上げた希望の党は『寛容な改革保守政党』を掲げ、排除された『リベラル』な人たちは立憲民主を結党しました。有権者のみならず、政治家や政党が自他にラベルを貼り付ける。社会のあり方をめぐる対立が存在し、どちら側かを示せればいいのです」
――どの対立が重要かによってラベルの意味は変わる、と。
「そうです。保守とリベラルというラベルは日本のみならず欧米各国で使われますが、その言葉で強調される意味は、社会によって異なります。現在、米国では保守が右派、リベラルが左派ですが、西欧の多くの国ではリベラルとは経済的な自由を重視する右派とされる。政府の市場への介入の仕方の違いが対立軸になっています」
記事の後半では、「保守」や「革新」が示す具体的な政党が、世代によって差があるとの調査結果や、その背景についても語ってもらっています。
――日本における対立は何ですか。
「世論調査の蓄積からわかる…
【視点】旧来の「保守」の「革新(≒リベラル)」の対立軸は、政治の指標として失効しつつある。そして結論は、「今は新しい政治対立が未来に生まれるための過渡期なのかもしれません」という。 それはそうなのだろうが、うーん、すでに1970年代あたりから