「全ての行政手続きスマホ60秒」なるか デジタル庁、混乱の船出

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永田大、平井恵美
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 行政のデジタル化の司令塔となるデジタル庁が1日発足した。コロナ禍で役所の窓口に行く手間が問題となるなか、「すべての行政手続きがスマートフォンで60秒以内にできる」ことをめざす。菅義偉首相の肝いりの新組織で、省庁間の縦割りを打破できるのかが問われる。

 約600人体制で、うち約200人を民間出身者が占める。デジタル相には設立準備を担った平井卓也氏が就く。事務方トップの「デジタル監」には、一橋大学名誉教授の石倉洋子氏(72)を起用した。菅首相はこの日の発足式で「行政のみならず、我が国全体を作り替えるくらいの気持ちで知恵を絞っていただきたい」と述べた。

 各省庁にまたがる情報システムについて勧告する権限があり、予算もとりまとめる。マイナンバーカードの活用や、ばらばらだった自治体システムの標準化にも取り組む。

 平井氏はこの日、「すばらしい品質のサービスを、スピード感をもって、しかもコスト意識をもって届けていく」と述べた。石倉氏は「日本はデジタルではぱっとしないと言われてきた。新しい組織で新しいことをやり世界にアピールしていきたい」と訴えた。

 デジタル庁は、菅首相が昨年9月の自民党総裁選で掲げた「看板政策」だった。1年後の9月に発足させたのも、党総裁の任期満了前に実績としてアピールしたいという首相の思惑もあったからだ。関係者によると、平井氏は周囲に「デジタル庁ができたら総裁選は(菅氏の)無投票当選になる」などと語っていたという。

 9月の発足に間に合わせるべく、デジタル庁創設などを盛り込んだデジタル改革関連法は成立を急いだ。国会審議では個人情報保護のあり方などの課題が浮かび上がったが、議論は深まらず、衆院では28項目、参院では29項目もの付帯決議がついた。

人事撤回、不適切な入札対応…混乱の船出

 発足はしたものの、いまの政権中枢に高揚感はうかがえない。

 デジタル監人事をめぐっては…

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