「職場放棄」「国民不在の抗争劇」 国会開かぬ政権に批判

立憲共産国民社民

北見英城
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 菅義偉首相は1日、「最優先は新型コロナ対策」との理由で衆院の解散を見送る方針を明らかにした。しかし、野党が要求していた臨時国会の召集については、政府・与党は拒んでいる。こうした首相の姿勢に、野党は「職場放棄」などと批判を強めている。

 「自民党は自分の選挙や党のことで必死だ。国会を開けないということは予算の措置も法(改正)もできないということ。コロナ対策をやらないということと等しい。職場放棄、職務放棄だ」

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自民党の森山裕国会対策委員長との会談を終え、記者団の取材に応じる立憲民主党の安住淳国対委員長=2021年8月18日午前、国会内

 立憲民主党安住淳国会対策委員長は1日、記者団を前にそう語気を強めた。

 安住氏は、新型コロナ対策の補正予算を審議するため、臨時国会を9月7~16日に開くよう求めていた。しかし、与党は8月31日、要求に応じない考えを正式に伝えている。

 与党側の対応を受け、立憲、共産、国民、社民の野党4党は1日、与党側に抗議声明を出す方針を確認した。安住氏は「政策課題に対して任期ギリギリまで自分たちの職責を果たす」として、野党合同ヒアリングを引き続き実施する考えを示した。2日にはアフガニスタン情勢について防衛省からヒアリングを行う。

 政府・与党は、国会を開けば、コロナ対応で野党に攻撃の場を与えるだけだとの思いが強い。これに対し、野党内には、自民党総裁選などに注目が集まり、野党が埋没してしまうのでは、との危機感がある。

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取材に応じる菅義偉首相=2021年9月1日午前9時27分、首相官邸、上田幸一撮影

 新型コロナ対策を重視するとしながら、国会で審議しようとしない政府の姿勢に対しては、立憲副代表の長妻昭氏も党会合で、「与党の議員は、ロックダウンについて(議論を)やらないといけないというが、国会を開こうとしない。アリバイのような発言だ」と指摘した。

 共産の志位和夫委員長も、菅首相が「解散できる状況にない」という一方で国会を開かないことについて、「全く矛盾している」と指摘。「政権のコロナ対応には致命的な欠陥がある。これを根本から正す、転換するための論戦をしっかりやる。そのための臨時国会をただちに開けと求めたい」と改めて臨時国会を召集するように訴えた。

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共産党の志位和夫委員長=2021年8月19日、国会内、横山翼撮影

 国民の玉木雄一郎代表も、速やかに補正予算案を編成すべきだとし、「この時期に国会を開かないなら、『コロナに最優先で臨む』という言葉がウソになる。言っていることとやっていることが違う」と指摘した。

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記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表=26日、国会内、鬼原民幸撮影

 社民党福島瑞穂党首も「失策を野党に追及されるのが嫌だから国会を開かないとしか考えられない。国民不在の自民党抗争劇だ」と批判した。(北見英城)