120年の歴史、台湾系華僑学校 日中英トライリンガルへのノウハウ

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笠原真
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異文化教育に学ぶ(2)

 中華料理店が軒を連ねる横浜市中華街。その一角にある横浜中華学院は、長年の経験で培われたノウハウで3カ国語を操る「トライリンガル」の人材育成を目指す。近年は日本人生徒の数も増えている。

「日本人も台湾人も一緒、当たり前」

 「『起』の部首はなに?」「走!」

 「じゃあ『起』を使った言葉はなに?」「起立!」

 小学部1年の国語(中国語)の授業では、先生の問いかけに27人の児童が元気よく中国語で答える。子どもたちは教科書を暗唱したり、漢字とそれに合った発音記号を選ぶカードゲームを楽しんだりしていた。

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小学部1年の授業で、漢字と発音記号を当てるゲームをする児童=2021年7月2日、横浜市中区、笠原真撮影

 クラスの約半数が日本国籍で、日本育ちの台湾人や、親の都合で来日した台湾人の児童もいる。国語以外の多くの授業も中国語で行われ、教科書も台湾のものを使用する。

 小6の寺村文莉(のり)さん(11)は「日本人も台湾人も一緒に勉強するのが当たり前で、それが楽しい」と言う。「小さい頃から国際的な価値観に触れてほしい」という両親の願いで幼稚部から入園した。コロナ禍前に家族旅行で台湾を訪れた際は、中国語が不得意な両親の買い物を手伝えるほどになった。母親の裕子さんは「実用的な中国語を学べて、本人も自信がついているみたい」と話す。

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小学部1年の授業を受ける児童ら。遊び感覚で漢字を覚えるゲームもあった=2021年7月2日、横浜市中区、笠原真撮影

日本人生徒も「中華文化の継承担う」

 学院が特に力を入れるのは、3言語を操れる人材の育成だ。小学部では1年生から中国語の授業が週に8~9コマ、日本語は4~5コマ、英語も含めた教育を施す。話す、聞く、読む、書くを徹底して鍛える。中高ではそれまでに学んだ語学を生かし、検定試験やスピーチコンテストへの参加が奨励される。休み時間中の廊下や教室には、中国語と日本語の混ざった会話が飛び交っていた。

 杜文劍(とぶんけん)校長は…

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