宝塚「銀ちゃんの恋」11年ぶり復活 水美舞斗が演じるスターの孤独

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花組公演「銀ちゃんの恋」。型破りな銀ちゃんを生き生きと演じる水美舞斗=滝沢美穂子撮影
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 宝塚歌劇の異色作にして名作の「銀ちゃんの恋」が11年ぶりによみがえった。主演は「花組の水美舞斗(みなみまいと)でございやす」。開演アナウンスからべらんめえ調で、駆け抜ける。

銀ちゃんとヤス、泥くさい2人芝居

 原作は、1980年に初演されたつかこうへい作の戯曲「蒲田行進曲」。小説版は直木賞を受賞し、82年には深作欣二監督が風間杜夫主演で映画化した。

 「銀ちゃん」と慕われる型破りなスター倉丘銀四郎と子分のヤス(飛龍(ひりゅう)つかさ)、「元大女優」の小夏(星空美咲(ほしぞらみさき))の三角関係を軸に、映画の黄金時代を生きた人々のおかしみと悲哀を描ききる。ギンギラな衣装やおんぼろの4畳半もまた、映画さながらの昭和な雰囲気を違和感なく作り出している。

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銀ちゃんを演じる水美舞斗(左)と子分のヤスを演じる飛龍つかさは息もぴったり。笑いを誘う=滝沢美穂子撮影

 銀ちゃんは、華はあるが見えっ張りで浮気者。飲んでは暴れ、すぐキレる。それなのに、どうしようもない孤独感を抱える落ちぶれ気味のスターなのだ。

 宝塚版のタイトルは「銀ちゃんの恋」だが、光が当たるのは銀ちゃんとヤスのゆがんだ愛憎関係だ。水美と飛龍の泥くさい2人芝居が濃密に絡み合い、作品を一段高みへと押し上げている。

■命が宿るソロ、情感たっぷり…

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