ベネチア国際映画祭開幕、コンペ21作競う 別部門に湯浅政明監督作

ベネチア=小原篤
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 第78回ベネチア国際映画祭が1日(日本時間2日)に開幕した。メインのコンペティション部門に日本作品はないが、ペドロ・アルモドバルジェーン・カンピオンら個性派監督の新作21作が並び、最高賞の金獅子賞を争う。

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「パラレル・マザーズ」

 新型コロナウイルスの世界的流行の中、昨年に続き感染防止対策を取った上で決行された。開幕作品は、予期せぬ妊娠を機に出会った2人の女性を描くアルモドバルの「パラレル・マザーズ」。代表作「オール・アバウト・マイ・マザー」でも組んだペネロペ・クルスを擁し、ひねりをきかせた女性賛歌を展開した。

 カンヌ国際映画祭パルムドール受賞者カンピオンは、小説原作の「ザ・パワー・オブ・ザ・ドッグ」で参加。米の裕福な牧場主を主人公に、人間の暗部を探る。離婚問題に揺れる英ダイアナ妃をクリステン・スチュワートが演じるパブロ・ラライン監督「スペンサー」も注目作だ。

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「スペンサー」

 ほかに、2015年に金獅子賞を取ったロレンソ・ビガス、地元イタリアの巨匠パオロ・ソレンティーノらの監督作が入った。全体に欧米作品が多く、アジア作品と言えるのはフィリピンのエリック・マッティ監督「オン・ザ・ジョブ:ザ・ミッシング8」のみ。審査委員長は「パラサイト 半地下の家族」でパルムドールと米アカデミー賞作品賞を取った韓国のポン・ジュノ監督が務める。

 斬新な作品を集めた第2コンペのオリゾンティ部門には、日本の湯浅政明監督の長編アニメ「犬王(いぬおう)」が選ばれた。「夜明け告げるルーのうた」などで知られる鬼才が室町時代能楽師と琵琶法師の友情を描くミュージカルで、日本公開は来年初夏の予定。脚本はテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」などの野木亜紀子、キャラクター原案は「竹光侍」などのマンガ家・松本大洋が担当した。9日に公式上映される。

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「犬王」

 オリゾンティ短編部門には、離婚を決めた夫婦のとある1日を切り取った山下つぼみ監督「かの山」も入った。公式上映は10日。

 金獅子賞などの各賞は最終日の11日(同12日)に発表される。(ベネチア=小原篤