岸田氏、コロナ対策で「納得感」強調 総裁選、首相との違い打ち出す

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笹井継夫 古賀大己
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 自民党総裁選に立候補する岸田文雄政調会長は2日、新型コロナウイルス対策をテーマにした記者会見を開いた。数十兆円規模の経済対策や政府のコロナ対応の一元化を掲げ、菅政権との違いをアピールした。一方、総裁選での再選を狙う菅義偉首相も追加の経済対策を政府内に指示する方向だ。

 岸田氏が会見で力を入れたのは、菅首相の新型コロナ対応との違いを鮮明にすることだった。

 首相はたびたび、国民への説明不足や発信力の欠如を指摘されてきた。岸田氏は「(個々のコロナ対策が)全体のなかでどこに位置し、どれだけ我慢すれば目標に達するか丁寧に説明する」と強調。用意された紙の読み上げを避け、パネルを使うなどして「納得感」の必要性を訴えた。

 医療体制の逼迫(ひっぱく)で自宅療養中に亡くなる人も相次いでいることを踏まえ、臨時医療施設の整備や国公立病院の重点化によって「医療難民ゼロ」を実現するとしたほか、「ステイホーム可能な経済対策」などを「岸田4本柱」とアピールした。

 首相の経済対策については「細切れだったり、小出しだったり、中長期的な見通しが十分見通せないのではないか」と批判。新型コロナの影響で生活が困窮している人々に「来年春までを見通せる十分な経済対策を数十兆円規模ですみやかに実施する」と述べた。

 岸田氏は安倍晋三前首相が会長を務める、コロナ禍での積極的な財政出動を求める議員連盟で会長代行の任にあり、党内で首相の経済対策に不満を持つ議員の取り込みをねらった打ち出しとみられる。具体的には、家賃支援給付金や持続化給付金の再支給に加え、地域・業種を限定せず、事業規模に応じた事業支援などを掲げた。

 さらに、新たな感染症の流行に備え、政府の権限を強化する「健康危機管理庁」の設置を提案。菅政権では、新型コロナ対策の西村康稔経済再生相、田村憲久厚生労働相、ワクチン担当の河野太郎行政改革担当相がおり、対応が複雑化している。

 岸田氏には同庁の設置により、コロナ対策を一元化し、対応力の強化をアピールする狙いがある。会見では「(菅首相のコロナ対応は)国民には説明が十分でないのではないか、楽観的すぎるのではないかという声が多数ある」と指摘し、自身が首相になれば「常に最悪の事態を想定して危機管理を行う」と述べた。笹井継夫

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