「地球豊かでこそ歌舞伎が存在」 市川海老蔵さんが語る環境と私たち

聞き手・山岸玲
【動画】歌舞伎俳優・市川海老蔵さんが次の世代に残したい地球環境とは
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 歌舞伎俳優の市川海老蔵さんは今年2月、環境問題に取り組むNPO法人「Earth(アース)&Human(ヒューマン)」を立ち上げた。2014年には長野県の志賀高原で植樹活動を始めた。背景にはどんな思いがあるのか。

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市川海老蔵さんは、10月17~21日にオンラインで開催される朝日地球会議に登壇します。参加費は無料。事前登録が必要です。

 ――環境問題に関心を持ったきっかけは

 妻(故・小林麻央さん)と2010年に結婚してすぐの頃ですね。巡業で色んなところに泊まると「タオルは1枚まで」と目にするようになった。何の役に立つのっていう素朴な疑問があったわけですよ。洗剤やプラスチックとか色々な問題につながっていると後々知るんですけど。

 最近、暑いなとか、変な雨の降り方するなとかは感じていて、自分は何をすべきなのかなってぼんやり思っていた。ある時、ブログで環境問題についてできることはないかなあって書いたら「海老蔵さんの森を作ったらどうですか」ってコメントがあったんですよ。

 ティッシュペーパーは木から作った紙。日本人は使い捨ての割り箸をよく使う。多くの木が伐採されていて、森を作るって悪くないなあと。妻に聞いたら「私、やってましたよ」って。テレビ番組の企画で、宮脇昭先生(横浜国立大名誉教授。今年7月死去)と植樹をしていた。先生を紹介して下さって長野でやろうとなりました。

 妻も言ってたんですけど、子どもが土や木に触れるって悪いことじゃないなと。そこで学ぶんですよ。木々が増えると二酸化炭素を酸素にしてくれる。だから必要なんだと。植樹活動を始めて7年目。地球の歴史でみると、1ページにも満たない時間ですけどね。

 ――植樹に続いてNPOも立ち上げた

 次を考えると、植樹だけじゃあかんと行き着く。環境問題は山、川、海がワンセットじゃないと意味がない。それぞれで活動する人がいる。旗印として自分が何かやれば、誰かが見て、集まるわけじゃないですか。植樹だけでなくキャンプで若い人に環境問題を考えてもらう取り組みもやっているけど、環境問題で頑張っている団体に協力し、支援をしていきたいなと。

 ――子どもや未来のためにという意識からか

 それが大事でしょ。僕たちの時代ではなく、次の世代で大きな問題が起きるわけですよ。温暖化寒冷化、それで起きる食料問題。地球に住まわせてもらっている身としては、未来の世代にも住みやすい環境を残すことが、大人の世代の仕事と認識しています。

 ――お子様にはそういう話をされる

 話しますよ。君たちが大人になる頃には台風の風速は100メートル近くになるかもしれない。外にある物が窓を貫通して飛んでくる。そうした場合、どう備えるべきか考えてごらんと。政治の話もする。歌舞伎の話だって、女性であっても歌舞伎をするにはどういう事が必要なのか。君は男で歌舞伎ができているけど、継げると思う慢心がどういうことを起こすかって。

 ――市川海老蔵が環境問題について発信、活動することの意義は

 歌舞伎って伝統であり文化じゃないですか。能や狂言、落語、文学、音楽もそう。そういうものって地球が豊かで、国民が娯楽を見る余裕があるから存在するわけですよね。自分は歌舞伎役者でござい、お客さん入ってお金が入りました、やったーという歌舞伎役者はオワコン(終わったコンテンツ)なわけですよ。みんなが豊かになれる方法があれば、おそらく我々の仕事も成り立つ。そういうような目線で見ているだけの話。

 ――環境問題で伝えたいこと

 伝えたいじゃなくて、気づこうよってだけ。例えば住んでる家が雨漏りしたり、床がぬれたりしたら困るじゃないですか。同じじゃん。地球に住んでる。自分の家と地球を同じように考えられていないこと気づこうぜと。ふかふかのベッドがあって、きれいな水でお風呂入れる家がいいじゃないですか。自分の家を掃除するのと同じでしょ。(聞き手・山岸玲)

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 朝日地球会議2021は10月17~21日、オンラインで開催します。気候危機や民主主義、SDGsなどの課題について約30の討論や講演を通して考えます。視聴登録はhttp://t.asahi.com/digital1別ウインドウで開きますから。