「菅離れ」加速し万策尽きて 発足1年、国民の審判受けず退場へ

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 全国規模の国民の審判を一度も受けることなく、菅義偉首相自民党総裁選への出馬をとりやめる意向を表明した。菅内閣の発足からほぼ1年、安倍晋三前首相の路線を引き継ぎながら新型コロナの対応に追われ、「後手」「小出し」といった世論の批判が集中。最終盤は自民党内の「菅離れ」に拍車がかかり、万策尽きて退陣を余儀なくされたといえる。

 昨秋の首相就任当初から、政権の浮沈は「コロナ対応次第」との見方で衆目は一致していた。しかし、菅首相自身がどこまでそれを自覚していただろうか。携帯電話料金の値下げやデジタル庁の新設、また不妊治療への新たな助成。自民党内の主要派閥に担がれ、勢いのあった当初こそ耳目を集めたが、時間の経過とともに関心が薄れたのか、国民に対する説明不足や自らに都合のいい「楽観シナリオ」への傾斜が目立った。

 「国民の命と暮らしを守ることが私の使命」。記者会見では何度もそう繰り返しながら、新型コロナの感染拡大は第5波まで続き、緊急事態宣言を繰り返し出さざるを得なかった。感染が収まらない中で東京五輪パラリンピックを開催したことも、その判断の是非が問われた。

 今年に入り、菅政権は選挙で敗北を繰り返した。4月下旬にあった衆参3補選・再選挙で全敗し、7月の東京都議選自民党は過去2番目に少ない33議席と惨敗。さらに、首相のおひざ元である8月下旬の横浜市長選では、盟友の小此木八郎国家公安委員長を推しながら敗北を喫した。

 党内では「選挙の顔」として菅首相を押し立てることに不安が高まり、水面下で「菅離れ」が加速した。国政選・地方選の連敗で、従来の自民党支持者の支持が離れつつあるとの危機感も急速に広がった。

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