不振のキャンプ場、立て直した名物そば店主 信条は「現場は若手に」

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清水大輔
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 信州はそば。白いそばの花畑を走り抜け、そばの本場、戸隠の象徴たる戸隠神社中社も通り越す。長野市中心部から車で40分ほど。その名も、戸隠キャンプ場にやって来た。

 標高1200メートルながら、約22ヘクタールの広さはキャンプ場としては国内屈指。約500人のキャンパーがいても「密」な印象はなかった。

 広い炊事場は温水設備が整い、トイレは清潔。それでも、今の運営会社に代わる2年前までは施設の老朽化が目立ったという。社長の徳武洋友さん(73)は「若いスタッフたちにいつも『どういうキャンプ場にしたい?』と問い続けてきた」と話す。そば店経営者という顔も持つ。

会社辞め戸隠でそば店 手腕買われ観光協会長に

 高校を卒業後、長野市内で会社員をしていた徳武さんは、戸隠で土産物店を営んでいた父から「戻ってきてほしい」と頼まれた。

 帰ってはみたものの、品物が画一的で疑問だった。そして、「おいしいそば屋はどこ?」と尋ねる客の多いこと。「なら、自分でそば屋をやってみようか」。母に教わり、市内でそば店を開いていた姉のもとでも働き、40歳の時、戸隠の名所・鏡池近くに「蕎麦処 そばの実」を開店させた。

 澄んだ地下水をひき、周りの契約農家から殻つきのそばの実(玄そば)を仕入れ、石臼で自家製粉する。人気店となり2階まで大繁盛だったが、調理が追いつかず、お客さんを待たせることが気になった。

 10年ほど前、思い切って客席を1階だけに。すると、サービスが行き届き、従業員の負荷が減った。収支はむしろ、良くなった。

 手腕を買われ、地元の観光協会長を任された。また、斬新な試みをした。

後半で「ゆるキャン△」作者の書面インタビュー

名物そば店主の徳武さんは、古いキャンプ場をどうやって立て直したのでしょうか。さらに記事の後半では、人気キャンプ漫画「ゆるキャン△」の作者、あfろさんが、キャンプの魅力や楽しみ方を語ってくれます。

 戸隠神社奥社から駐車場を借…

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