「菅首相、自分を客観的に見られていなかった」中北浩爾・一橋大教授

有料会員記事自民自民党総裁選2021

根岸拓朗
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 菅義偉首相が3日午前、自民党総裁選に立候補しないことを表明した。繰り返し出馬の意向を示していた末の突然の転換を、どう受け止めればいいのか。自民党に関する著書がある一橋大の中北浩爾教授(政治学)に聞いた。

 私は客観的にみて、菅氏が総裁選に出馬するのは厳しい状況だと思っていた。衆参3選挙区の補選・再選挙で全敗し、東京都議選でも敗れ、(8月22日投開票の)横浜市長選で自ら支援した候補者が敗れている。

 これらの結果から「菅氏では次の総選挙に勝てない」という危機感が自民党内に充満していた。私が会った若手の自民党国会議員は、「野党に転落した経験をもつ上の世代のほうが、若手よりも危機感が強い」と話していた。

 政権運営も行き詰まっていた。新型コロナの感染が拡大し、病床確保が進まないなか、自宅で亡くなる人が相次いだ。その結果、内閣支持率は下がった。

 本来であれば、地元の横浜市長選に敗北した時点で、総裁選から身を引くのが、リーダーとしての正常な判断だったのではないか。コロナ禍についてもそうだが、希望的観測に傾き、周りからの忠告も届いていなかったのだろう。

 思い出すのは、2008年に…

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