米北東部で豪雨、46人死亡 NYは鉄砲水警報 地下室の住人ら犠牲

ニューヨーク=藤原学思
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 米北東部が1日夜から記録的な豪雨に見舞われ、米メディアによると、ニューヨーク(NY)やニュージャージーなど6州で46人の死亡が確認された。バイデン大統領は2日、「気候危機の到来を改めて認識させられる」と述べ、気候変動対策の必要性を強調した。

 米国では先月29日、一時米史上5番目の強さとなったハリケーン「アイダ」が南部ルイジアナ州に上陸。約100万戸が停電するなどの被害が出た。

 アイダは翌30日に勢力を弱めて熱帯低気圧になったが、1日夜から広い範囲に豪雨をもたらし、各地で洪水が発生。特に被害の大きかったニュージャージー州で23人、NY州で16人がそれぞれ亡くなった。

 両州が非常事態宣言を出したほか、米国立気象局(NWS)はNY市などに「鉄砲水警報」を発令した。NY市民らのスマートフォンには1日夜、「危険で、命を脅かす状況です。洪水に見舞われたり、避難命令が出たりしない限り、外出は避けてください」との通知がNWSから届けられた。

 NY市中心部のセントラルパークでは1時間に80ミリの雨が降り、過去最多を記録。地下鉄はほぼ全線が不通になり、SNSには駅やホームに水が激しく流れ込む様子が複数投稿された。ただ、デブラシオ市長によると、事前に得ていた予報では「1日で76~152ミリ」だったという。

 NY州のホークル知事は2日の会見で「文字通り天が開き、ナイアガラの滝レベルの水を路上にもたらすとは知らなかった」と語った。また、「我々が準備できていなかったことが、路上で起きている」として、想定外だったと認めた。

 NY市では13人が死亡し、米メディアによると、そのうち11人がアパートの地下に暮らしていた。世界で最も家賃が高い都市の一つであるNY市で、地下の部屋は比較的安価なことで知られ、移民が多く住む。

 気候変動対策に熱心なオカシオコルテス下院議員は2日、「気候危機がいかに不平等の危機であることか。鉄砲水が起きた際に最もリスクの高い人びとは労働者階級や移民、低所得の人びとや家族だ」とツイッターに書き込んだ。

 コロンビア大学地球研究所のクラウス・ジェイコブ名誉教授は取材に「こうした事態は今後、頻度も強度も増して起こってくる。人為的な気候変動のせいであり、早急に対処する必要がある」と語った。(ニューヨーク=藤原学思