最後まで救済のために行政動かして 「黒い雨」被害者ら菅氏に注文

自民党総裁選2021自民

岡田将平
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 76年前の広島への原爆投下後に降った「黒い雨」を巡り、原告84人全員を被爆者と認めた7月の広島高裁判決。菅義偉首相の総裁選不出馬の方針に対して、原告らにも様々な受け止めが広がった。

 菅首相は高裁判決後、上告断念の表明した上で、原告と「同じような事情」の人たちの救済も早急に検討するとの談話を出した。

 その直後の8月6日。原告団長の高野正明さん(83)は、広島市での平和記念式典で菅首相と立ち話をする機会があった。原告以外の早期救済を求めたところ、「すぐやります」と答えたという。総裁選に立候補しないと聞き、「(救済への)レールを敷いてもらって感謝している」と語った。

 ただ、より広い救済へ向けた審査指針の見直しなど具体的な動きは見えていないのが現状だ。原告らを支援してきた広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長(76)は、高齢化が進む黒い雨被害者の思いをこう代弁する。「菅さんは退任まではまだ総理。最後まで救済のために行政を動かしてほしい」(岡田将平)