菅首相の外遊は3回のみ 外務省回帰の外交、コロナ影響で成果残せず

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相原亮
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 菅義偉首相が1年で退任することになった。米国で政権が交代するなど世界は大きく変化した時期だったが、首相は新型コロナ対策など内政に追われたこともあり、掲げた「積極外交」は不発に終わった。

 昨年10月の所信表明演説で、首相は「積極外交を展開していく決意だ」と宣言した。安倍前政権は経済産業省出身の官邸官僚が、対ロシア外交などにも影響力を発揮したが、菅政権は「『外務省回帰』のオーソドックスな外交」(首相側近)になった。

 首相は中国を念頭に日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想をアピール。これに基づき、政権発足直後の昨年10月にベトナムインドネシアを訪問。だが、その後はコロナの影響で外国首脳と対面で会談する機会は限られた。外務省幹部は「FOIPを欧米など世界に広げることができた」と語るが、結局、在任中の外遊は計3回に終わった。

 山場は今年4月の訪米だった…

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    佐橋亮
    (東京大学東洋文化研究所准教授)
    2021年9月4日11時24分 投稿

    【視点】少し辛口に過ぎる評価にみえます。菅政権は、たしかに従来路線への回帰にもみえますが、米中対立が激化し、またコロナ後に世界で政治・経済状況が悪化する中で、日米関係、先進民主主義の協調を重視しました。4月の日米首脳会談ではアメリカの高い期待に応え

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    駒木明義
    (朝日新聞論説委員=ロシア、国際関係)
    2021年9月3日21時13分 投稿

    【視点】コロナの影響があったとはいえ、菅首相の外交は寂しい結果に終わりました。韓国の文在寅大統領との会談が不発に終わった6月のG7サミットの際にもコメントしましたが、事務方がすべてのお膳立てを済ませた上で発言要領を読み上げるような会談しかやりたくな