経済評論家の内橋克人さんが死去 市民目線で辛口評論

 企業・経済と人間が接する領域に光を当てた市民目線の辛口評論で知られる経済評論家の内橋克人(うちはし・かつと)さんが1日、急性心筋梗塞(こうそく)のため神奈川県鎌倉市内の病院で死去した。89歳だった。葬儀は近親者で営む。

 神戸市生まれ。神戸商大卒。神戸新聞記者を経てフリーに。1970年代後半から執筆した「匠(たくみ)の時代」シリーズで、高度成長を支える開発技術者たちの実像を報告した。

 『幻想の「技術一流国」ニッポン』では、日本の生産技術にひそむ問題点を摘出し、自国を技術先進国とみなす当時の楽観的な見方に警鐘を鳴らした。

 90年代以降、規制緩和構造改革が叫ばれると、市場原理にさらされる市民生活を擁護する立場から反対の論陣を張った。95年の阪神・淡路大震災では市民の人権を守る観点から被災者支援の充実を訴えた。同年刊の「共生の大地」では、市民事業や協同組合といった新しい生産・労働形態にもとづく「多元的経済社会」を提唱した。