首相がすがった「シナリオ」、尾身氏の直訴も聞き入れず…後手の1年

有料会員記事自民自民党総裁選2021

西村圭史、枝松佑樹 小野太郎 伊沢友之
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 菅義偉首相にとって、新型コロナウイルス感染症に翻弄(ほんろう)された1年だった。「経済との両立」を掲げたが、対策は後手後手。緊急事態宣言を繰り返し、観光や飲食店を中心に経済の苦境は続いた。東京五輪も無観客開催を強いられ、政権の低迷に歯止めはかからなかった。

 総裁選の立候補見送りを表明した自民党臨時役員会から4時間余り、首相は政府の経済財政諮問会議でこうあいさつした。「感染対策と社会経済活動の再開を両立させる道筋を早期に示してまいります」。昨年9月16日の就任会見での言い回しとほぼ同じだった。

 あれから1年――。政府のコロナ対策は後手に回り、「誓い」は守られぬまま、首相は最高責任者の座を去ることになる。

 コロナ対策は出だしからつまずいた。昨年10月、首相は旗振り役を務めてきた観光支援策「Go To トラベル」を東京都にも拡大したが、同時期に感染状況が悪化して第3波が到来。11月には政府の対策分科会の尾身茂会長らがトラベルの一時停止などを提言したが、首相はすぐに応じなかった。結局、12月14日に全国での一斉停止を表明することになった。

 年明けには、東京都小池百合子都知事らから突き上げられる形で、安倍政権から数えて2度目の緊急事態宣言に追い込まれた。首相は「1カ月後には必ず事態を改善させる」と約束したが、宣言は3月までの延長を余儀なくされた。

 感染力の強さが指摘されてい…

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