最後の切り札を封じられた菅首相 「結局支える人がいなかった」

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 菅義偉首相自民党総裁選の立候補断念に追い込まれた。党役員の顔ぶれを刷新することで局面の打開を狙ったが、求心力が急落して人事に着手することすらできなかった。菅氏が受けて立つ構図だった総裁選は様相が一変し、空席となった「次の首相」の座をめざし候補者が乱立しそうだ。

「絶対やらない」 選対委員長を固辞した二階氏側近

 3日午前11時半過ぎ、自民党本部で開かれた臨時役員会。普段は座ったまま行う冒頭のあいさつで、首相はおもむろに立ち上がって切り出した。

 「総裁選に出ずに、自分の任期中はコロナ対策に専念したい。ついては、お願いしていた役員人事を撤回したい」

 会議室は、水を打ったように静まりかえった。総裁選への立候補を正式に表明し、その2時間後に予定されていた総務会で党役員人事の一任を取り付ける。その皮切りになるはずだったあいさつで、首相自ら「退場」を表明したのだ。

 首相は役員会の直前、二階俊博幹事長と加藤勝信官房長官の2人には「不出馬」の連絡を入れていた。だが、ほかの側近や政権幹部らは一様に「寝耳に水だった」と話した。

 首相の求心力はすでに急降下していたが、なお反転攻勢の機を探っていた。6日に党四役をすべて交代させ、内閣改造も一部検討し、イメージを刷新して党内外の支持を再獲得する。そのために、自身の後ろ盾となっていた二階幹事長をも外す決断を下した。

 具体的な人事構想も進めていた。知名度の高い議員や若手、党内ににらみの利く実力者らの起用を想定し、石破茂元幹事長や河野太郎行政改革相、小泉進次郎環境相、萩生田光一文部科学相らを要職に充てようとしていた。2日には周辺に「人事はやる。その先のことは、また考える」と決意を語っていた。

 だが、首相の足元は、もはや…

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