ノーベル賞候補、中国の大学で研究活動へ 「光触媒」発見の藤嶋昭氏

井上亮=上海、小堀龍之
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 中国の上海理工大学は、「光触媒」の反応を発見したことで知られ、ノーベル賞候補にも名前が挙がる藤嶋昭・東京理科大栄誉教授(79)とその研究チームが上海理工大で研究活動を行うと発表した。

 藤嶋氏は50年ほど前、光を酸化チタンに当てると水が酸素と水素に分解される光触媒の効果を発見。日光で汚れや臭いを分解でき、外壁の汚れ防止や空気清浄機などで実用化された。同大の8月31日付の発表によると、同大は光触媒に関する研究所を新設し、藤嶋氏のチームが中心となって研究を進めるとしている。

 藤嶋氏は3日、朝日新聞の取材に「コロナが解消するまでは行きません」と話した。リモートで研究を指示するといい、「光触媒の研究は今、世界的に進んでいる。中国もすごくやっているので、日本からの(頭脳)流出ということではない」としている。

 光触媒は2014年のサッカーワールドカップブラジル大会でスタジアムの屋根に採用され、近年は新型コロナウイルスの感染力を失わせる研究でも注目されていた。藤嶋氏は研究の功績が認められ、日本国際賞文化勲章朝日賞を受けた。19年には中国の発展に貢献した外国人に贈られる「中国政府友誼(ゆうぎ)賞」を受賞した。(井上亮=上海、小堀龍之)