パラ高跳び鈴木選手 メダル逃すも地元「感動」

永沼仁
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 東京パラリンピック男子走り高跳び(義足T64)に山梨市の鈴木徹選手(41)が出場し、4位に入賞した。悲願のメダルこそ逃したが、6大会連続の出場。挑戦を続けて跳躍する姿に、地元からは称賛の声があがった。

 3日午前11時すぎ。次男の最希さんも通う市立日下部小では、各教室で児童がテレビ観戦をした。マスク姿。声を出せないが、鈴木選手が跳躍前に手をたたく映像が流れると、子どもたちも手拍子で応え、応援のボルテージが上がった。

 今季の自己ベストを上回る1メートル88を成功させたが、1メートル93に失敗。目標のメダルには届かなかった。それでも、「何度も挑戦する前向きな姿がかっこよかった。最後に、深々と礼をして、みんなに感謝を伝える姿に感動しました」。7月の壮行会で鈴木選手を激励した6年生の石原薫子さん(12)は、そう話した。

 鈴木選手は、中学高校でハンドボールに打ち込んだ。しかし、高校卒業の1週間前、交通事故で右ひざから下を切断。1年後、義足による陸上競技と出合い、わずかな練習だけで当時の日本記録を超える跳躍をみせ、その才能を開花させた。

 最初のパラリンピック出場は2000年のシドニー。その後も連続出場を果たし、前々回のロンドン、前回のリオはともに4位。メダル獲得まであと一歩に迫っていた。

 自己ベストは2メートル02。コロナ禍で大会が延長になる中、新たな跳躍フォームの改良に取り組んだ。しかし、出場したライバルも2メートルジャンパーが多く、「まずは自己ベスト更新」がメダルの条件だった。

 3日、鈴木選手の健闘を受け、山梨市役所前に「夢と感動をありがとう」と書かれた懸垂幕が掲げられた。高木晴雄市長は「勇気をもらった。市民からはメダルを差し上げたい」とたたえていた。(永沼仁)