シベリア抑留死者4.6万人の名前読み上げ たった1人で作った名簿

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宮坂知樹
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 およそ丸2日間、4万6300人の氏名を読み上げ続けるイベントが、8月23日からオンラインで催された。太平洋戦争後のシベリア抑留の悲劇を忘れまいと、昨年、死者名の読み上げを支援団体が始めた。その名簿を編んだのは、新潟県内の元中学教諭だった。

 自身も抑留体験者だった村山常雄さん(故人)。ロシア側が日本政府に提供した死亡者名簿を元に、氏名、生年、出身地、階級などを特定していった。作業を始めたのは70歳だった1996年のことだ。

 村山さんが2007年に自費出版した著書「シベリアに逝きし人々を刻す」によると、そもそも死亡者名簿から正しい氏名に復元する作業が難題だった。ロシア人が抑留者から聞き取り、キリル文字で記録した名前を厚生省(当時)が約1カ月でカタカナに直したため、本来の氏名からかけ離れたものが多かったからだ。

「名簿の1行が、人の命一つ」

 「オオソノ」は「オオソナ」、「ヒロシ」は「キロシ」などAとOやHとKの音が入れ替わっていることに気づいた。だが、富高平十郎(とみたかへいじゅうろう)さんが「トーイヨタキ・ホンデゼロ」と記録されているなど難解な例も。村山さんは現地を訪ねて墓地に残った氏名の漢字を記録したり、新聞投書で協力を求めて各地の帰還者が持つ名簿を集めたりして復元作業を進めていった。

 何が、そこまで村山さんを動かしたのか。

 著書には「一人ひとりの無念…

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