創価大生がミニコミに投稿、読者から反響 震災体験など

高田誠
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 ASA八王子中央・西八王子(新聞販売所)の原則毎月16日発行のミニコミ紙に、創価大学(東京都八王子市)の学生らが記事の投稿を始めている。読者からは感想が寄せられ、学生と地域の新たなつながりが生まれている。

 「東日本大震災を忘れない」という見出しの記事が新聞折り込みの「ASAメール」(A4判8ページ)の一面に載ったのは3月16日号。宮城県石巻市出身で文学部3年生だった村田奈央子さんが寄稿した。スマホなどでQRコードを読み込めば詳しい内容が読める。

 2011年の震災時、小学5年生だった村田さんは車内で一人で家族を待つ間に津波が到来、車は流された。割れた後面ガラスから脱出、水面に出ていた住宅のベランダに飛び移り、雪が降る寒さを救出される翌朝まで耐えた。震災で祖母や友人を亡くし、自宅は全壊、転校した。「何もかもがからっぽになり毎日が不安でいっぱいでした」。大勢に励まされ、ボランティア活動などを通して前向きに。「将来地元で、困難な状況で苦しむ人の支えになりたいという夢を持っています」とつづった。

 読者から「読みながら涙が流れました」「被災者の想(おも)いを、伝えてくれたことはとても大切なことです」などの感想が寄せられた。ASAは翌月号の読者のページに感想を紹介した。

 文学部の西川ハンナ准教授(社会福祉学)のゼミは18年度から八王子市中心部の商店街を回り、学生向けの地図を作ったり、イベントにかかわったりしている。一方、ASAメールは05年に始まり、主にASAの岡沢孝さんが地域の話題などを書き、読者の感想を載せている。

 八王子駅北口商店会会長の清水栄さんがASAの木村圭一所長に西川ゼミの取り組みを紹介し、ASAと学生のコラボが実現した。西川さんは「学生ライター部」を設け、この4月に本格始動した。

 学生らは八王子市の今年築城500年の滝山城を取材した。4月号で、大学院生の佐々木孝一さんは「当時から現在に至るまで地元を愛する多くの人々の想いが受け継がれてきたことがうかがえます」などと記した。翌5月号には「改めてその価値を知りました」「コロナが終息したら、城に行って、想像力をかき立てたい」といった読者の感想が並んだ。

 学生ライターは現在、ゼミの枠組みを超えて十数人に。学生らは「コロナ禍で人とつながりにくい中、読者との接点が持ててうれしい」「SNSとは違う反応がある」「自宅と大学の往復の毎日だったが、楽しみが生まれた」などと話す。

 6月号では八王子駅前の開館1年の複合商業施設「八王子オクトーレ」、7月号で「桑都日本遺産センター 八王子博物館」を、8月号では「シュリーマンで町おこし!?」を取り上げた。西川さんは「大学での学びは抽象的になりがちだが、地域を自ら調べ、書き、地域の人から反応をいただけることで具体的に社会を学べる」と意義を話す。木村所長は「読者に可愛がってもらい、八王子の魅力をあらためて気づかせてほしい」と期待する。(高田誠)