2千安打を築き上げた西武・栗山の、忘れられない右前安打

吉村良二
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 (4日、プロ野球 楽天イーグルス8―5西武ライオンズ)

 記念の一打は、ライナーで三塁手の頭上を越えていった。かつて同僚だった楽天の炭谷、そしてチームで同期生の中村が祝福の花束を持って一塁ベース付近に駆け寄った。西武の栗山は照れたような笑顔で花束を受け取った。

 通算1999安打で迎えたこの日、六回に犠飛を打ったものの、無安打のまま九回になった。敗色濃厚の展開だったが、打席での集中力はいつもと同じ。元同僚・牧田に、カウント1―2と追い込まれながら、95キロの遅いカーブを引きつけてしっかり捉えた。「記念にホームランをと思っていたのに、無意識に練習でやってきた理想の打撃ができた。バッティングは面白いと思った」

 栗山はこれまで満塁本塁打を5本、サヨナラ安打を7本(うち2本は本塁打)記録。それでも最も思い出に残る1本は、入団3年目のシーズン最終戦で放ったプロ初安打だという。

 2004年9月24日の近鉄戦。9番・左翼で初出場・初先発し、七回に小池から右前安打を放った。「ボテボテでもいいから1本出れば、キャンプに呼んでみようかってなる。出なかったら次の年もチャンスがない。あの1本がなかったらどうだったんだろうと、今でも思う」。厳しいプロの世界で生きていく覚悟と自信を刻む一打となった。

 前日、38歳の誕生日を迎えた。「(安打を)1本打つのは大変やな、っていうのは年々感じるようになってきました」。だからこそ、17年前の初安打の頃を忘れることなく、今も泥臭く練習を積み重ねている。

 「ホッとした。でも、これからが勝負。これからどれくらい打てるかに価値がある」。力強く言った。(吉村良二)