首相誕生で熱狂してから1年 菅氏退陣で地元商店街はいま何を思う

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黒田陸離、山口啓太
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 新型コロウイルスの感染拡大が収まらない中、突然自民党総裁選への不出馬を表明した菅義偉首相。1年前に首相就任にわき、今もコロナ禍にあえぐ地元商店街を記者が歩いた。

 横浜駅から5駅先の市営地下鉄・阪東橋駅を出て徒歩2分。首相の地元・横浜市南区にある横浜橋通(よこはまばしどおり)商店街では、約350メートルのアーケードに120店ほどが並ぶ通りをマスクを付けた人々が往来し、買い物を済ませては足早に去っていった。

 創業40年を迎えるうなぎ屋「八舟」店主の久米克治さん(53)は、「接触を避けるためか、買い物ついでに寄っていく人が減った」という。コロナ禍前の一昨年に比べ、売り上げは約3割減。首相就任時は「お祝いムードでお客さんも増えた」が、1カ月もすると元に戻ったという。

 首相は市議を経て、1996年に47歳で国政に転じた。選挙区はこの商店街を含む衆院神奈川2区(横浜市西、南、港南区)だ。創業80年超の栃木屋惣菜(そうざい)店の3代目店主、佐治二郎さん(78)は衆院議員になったばかりのころ、店の数メートル先で演説する首相の姿を覚えている。「選挙がないときも、地道に地元に足を運んでくれた」

 商店街協同組合の高橋一成理事長(70)は、「誰がやっても収束は難しいだろうが、ロックダウンなどの選択肢もあった。あと半年はほしかった」と話す。首相に決まった昨年9月16日、経営する薬局のテレビでその瞬間を見つめ、「横浜から首相が出た」と涙を流して喜んだ。すぐに商店街に「首相総裁ご就任おめでとうございます」などと書かれた横断幕を掲げ、来る人に紅白まんじゅうを配って祝った。次の首相が決まれば、今度は「菅先生、お疲れ様でした」との横断幕を掲げるつもりだ。

 さらに南西へ約3キロ。100店舗近くが軒を連ねる同じ南区の弘明寺(ぐみょうじ)商店街では、「休業します」と貼り紙をしてシャッターを下ろす店が目立つ。

 「期待が大きかった分、残念…

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