自民党総裁選、問われる候補者の「発信力」 衆院選控え力量アピール

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 自民党総裁選(17日告示、29日投開票)に向け、党内で幅広い世論の支持を意識する動きが強まっている。総裁選の直後には衆院選を控えており、誰が「選挙の顔」になるか、立候補予定者らが発信力を競い合う状況だ。

 昨秋の総裁選で主要派閥に担がれた菅義偉首相は、新型コロナウイルス対応などで支持率が低迷するなか、再選に向けた総裁選不出馬を表明。衆院選で有権者の審判を受ける党所属議員は、今回の総裁選を衆院選に向けた「反転攻勢の場」と位置づけており、派閥の締め付けが利きづらくなっている。

 すでに立候補を表明した岸田文雄政調会長は5日、フジテレビの番組に出演。新型コロナウイルス患者の病床確保について「法改正もしっかり念頭におきながら、国の責任、国のリーダーシップをはっきりさせなければいけない」と強調した。

 一方、立候補の意向を固めた河野太郎行政改革相は5日、竹下派の幹部と面会し、支援を要請。河野氏は週内にも立候補を表明する方向で調整している。

 高市早苗総務相も立候補に意欲を示し、第2次政権以降では国政選挙で5連勝した安倍晋三前首相が支援する意向だ。安倍氏の出身派閥で党内最大派閥の細田派を中心に支持が広がっており、立候補表明に向けた調整を進めている。

 一方、竹下派内では会長代行の茂木敏充外相の総裁選立候補を望む声もあり、茂木氏は5日のNHKの番組で「グループをしっかりまとめていくことが何より重要な役割だ」と語った。

 立候補を検討している石破茂元幹事長はこの日、党内情勢の分析などにあたった。石破氏は昨秋の総裁選で敗れたものの、地方票では岸田氏を上回った。菅首相が総裁選不出馬を表明した3日は、複数のテレビ番組に出演するなど総裁選をにらんだメディアへの露出が増えている。

 総裁選にはほかに野田聖子幹事長代行らが立候補に意欲を示している。

 今回の総裁選は、全国の党員・党友も投票に参加する「フルスペック」となる。国会議員と党員・党友にそれぞれ383票が割り当てられるため、地方組織の声が重みを増している。コロナ禍で総裁選の地方遊説や街頭演説は中止となり、対面での訴えかけではなく、メディアなどを通じた「空中戦」の様相がこれまでよりも強まりつつある。

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    前田直人
    (朝日新聞コンテンツ戦略ディレクター)
    2021年9月5日23時43分 投稿

    【視点】今回の自民党総裁選の目的はシンプルだと思います。「菅首相では衆院選が戦えない」ことが主たる動機で行われることになったものなのですから、「衆院選に勝てる首相」を選ぶことが最大の基準になるはずです。主要派閥の領袖が方向性を決めて一気に流れをつく