「すべての違いが輝く世界」を表現 パラリンピック閉会式

遠藤隆史斉藤佑介
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 パラリンピックの締めくくりとなる閉会式には、各国・地域の選手や役員ら2千人の選手団が参加した。選手たちは場内の椅子に座り、旗手のみが代表で行進した。

 大会直前に政権が崩壊したアフガニスタンは、一時選手の派遣が見送られたが、開会後の8月28日に2選手の来日が実現した。式典では、ホサイン・ラスーリ(26)とザキア・フダダディ(22)の両選手が旗手として行進を果たした。

 式典で描かれたのは「すべての違いが輝く街」だ。

 国立競技場のフィールドに、東京の街をイメージしたセットが登場。それぞれが違う障害を持った旗手たちが、大会で放った輝きを東京に残していく。共生が根付く未来を表現した。

 クライマックスは、次回の開催地であるフランス・パリへの引き継ぎ式だ。東京都小池百合子知事からパリのアンヌ・イダルゴ市長にパラリンピック旗がつながれた。パリ大会が目指すものは「すべての人に開かれた大会」。手話パフォーマンスを交えて国歌「ラ・マルセイエーズ」を歌う映像が流された後、式典会場とパリが生中継で結ばれた。

 大会組織委員会の橋本聖子会長は「多様性と調和が実現した未来を必ずつくる。私たちは歩みを進めます」とあいさつした。

 会場に「What a Wonderful World」のメロディーが響き、障害がある人もない人も一緒に歌った。そして、午後10時過ぎ、聖火台の聖火が消え、大会は終わった。

 この日、閉会式に参加しなかった選手もいる。視覚障害があり、ボートでパラに初出場した有安諒平選手(34)は神奈川県の山あい数十キロをローラースキーで走り、汗を流した。見据えるのは、半年後に北京で開かれる冬季パラリンピックへの出場だ。

 今大会中、家族や関係者のほか、SNSを通じて応援が寄せられた。「接点のなかった人や社会と、自然とつながる感じがあった」。同時に、メダルを取るまでやめられないと思った。「結果で返し、応援を歓喜に変えたい」

 練習の合間に、高校や大学での講演を入れた。「重荷と思っていた自分の視覚障害も、スポーツで価値に転じた。パラスポーツの熱量が冷めないよう未来につなぐのも、自分の役割だと思う」遠藤隆史斉藤佑介