阪神・糸井嘉男が同点打 救援が呼び込んだ「勝ちに等しい引き分け」

KANSAI

内田快
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 (5日、プロ野球 阪神タイガース6―6読売ジャイアンツ)

 五回を終わって、0―6。今季、追いついたことのない点差をつけられた。阪神は負ければ再び首位陥落。だが、ここから驚異の粘りをみせる。

 六回、先頭打者・中野拓夢の三塁打を皮切りに打者一巡の攻撃で一挙4得点。3試合連続逆転勝ちをおさめているチームは、がぜん勢いづいた。

 七回、1点を加えてなお2死一塁。代打糸井嘉男が低めの変化球をうまく拾い、左中間を破る同点二塁打とした。「本当にムードが良い。どんなに点差があっても勝つという思いで一体となって戦えている」と喜んだ。

 目につくのは打線の勝負強さ。ただ、それを支えているのは、先行された展開で起用されるリリーフ陣の踏ん張りだ。2番手でマウンドに上がった藤浪晋太郎こそ手痛い3ランを浴びたものの、この首位攻防カードを振り返ると、その他のリリーバーは無失点。矢野燿大(あきひろ)監督も「中継ぎの投手陣が抑えてくれたからこそ(逆転機が訪れる)」とたたえる。

 6点差を追いつくだけにとどまらず、阪神は八、九回にもチャンスを作り、宿敵を追い詰めた。「いい戦いがこの3連戦はできた。勝ちに等しい引き分けだ」と指揮官。サヨナラ勝ちは逃したが、ファンの大きな拍手を浴びたことが、何よりの証しである。

 7日からは、優勝戦線に踏みとどまる3位ヤクルトとの3連戦。乗りに乗った猛虎が、ツバメを甲子園に迎える。

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    鈴木健輔
    (朝日新聞スポーツ部記者=大相撲)
    2021年9月6日16時13分 投稿
    【視点】

     プロ野球・オリックスを担当していた2014年シーズンの終盤戦、ある試合後に糸井選手と遭遇しました。  優勝争いのさなか。ダッグアウト裏で関係者を探していた私は、偶然、扉が少し開いていた医務室をのぞきました。いすに腰掛けた糸井選手が苦悶の

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