クロマグロ、遊漁禁止で遠のく夢 「釣り人も規制議論に参加させて」

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杉浦幹治、高木真也
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プレジャーボートも係留されている小泊漁港=2017年、青森県中泊町、茂木陽一さん提供
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 すしネタとなる高級魚のクロマグロ。芸能人が数百キロの大物を釣り上げたこともあり、釣り人にとってあこがれの的だった。いま、大物と格闘する夢は実現できそうもない。日本の全海域で8月21日から来年5月末まで、プレジャーボートや遊漁船による釣りが全面禁止になったためだ。

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運搬船から水揚げされ市場へ運ばれるクロマグロ=2020年、鳥取県境港市、長崎緑子撮影

 水産庁は太平洋クロマグロ(本マグロ)のスポーツやレジャー目的の釣り(遊漁)を全面的に禁止した。一般人が釣りでとる量が想定より多く、全体の漁獲枠に影響する可能性が出てきたためだ。資源を守るために必要だったと強調するが、釣り人らは戸惑いを隠せない。

 「最近、釣り仲間の間ではこの話題で持ちきりです」。千葉県成田市に住む公務員の男性(37)はこう話す。夏から秋のシーズンには月に1、2回はマグロを釣りに出る。クロマグロは引きもさることながら、「近所の人たちや友だちに振る舞うときの反応が全然違う。海の釣り人の最終目標です」と醍醐(だいご)味を語る。

 資源の枯渇が心配されるなか規制はやむを得ないと思うが、「3年前に20万円ほどで専用のさおとリールを買った。200キロまで釣れるものだが、次はいつ使えるのか」と嘆く。

 太平洋クロマグロは減少を受けて、2015年から国際的な枠組みで漁獲量を制限している。水産庁は遊漁でとれる分は、漁獲量に数えていなかった。大物だと1匹数百万円の値がつく高級魚で、漁業関係者は規制を求めていた。水産庁は今年6月から、遊漁の対象のクロマグロを30キロ以上の成魚に限定し、釣果を報告するよう義務づけた。釣りは認めつつ、漁獲量を把握して管理する方針だった。

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クロマグロの遊漁禁止を呼びかける水産庁のホームページ

 21年の漁獲枠は日本全体で…

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