「なぜ、何のための戦争か」 アフガンで悩んだ米兵が見た敗北の景色

有料会員記事アフガニスタン情勢

ワシントン=高野遼
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 「敗北の景色というのはこういうもの。避けられない結果だったんです」

 アフガニスタンで20年に及んだ戦争は大混乱のなか、米軍撤退で半ば強引に幕が引かれた。元米兵のマシュー・ホーさん(48)は、少し冷めた目でその光景を見ていた。

 ホーさんは、海兵隊員や国務省職員としてイラク、アフガニスタンに3度にわたり派遣された経歴を持つ。12年前、アフガニスタンでの米軍駐留に異を唱えて政府の職を辞した。

 「我々はなぜ、何のために戦争をしているのか。米軍駐留の目的について、私は理解と自信を失いました。米国がここで負傷者と支出を出し続ける価値がみえないのです」

 当時提出された4ページにわたる辞表には、疑問を呈する言葉が並んでいた。

 「遺体で戻ることになった兵士の家族には、失われた将来や愛情、夢に見合うだけの目的に命を捧げたと伝えなければならない。しかし私にはもう、そう伝えられる自信がありません」

 アフガン駐留はさらに12年続き、多くの命と巨額の資金が失われた。

 ホーさんが職を辞してまで訴えたかった米軍駐留の抱える問題とは何だったのか――。

「良いニュースを探すのが仕事」

 「我々はテロとの戦いをしているつもりだった」とホーさんは振り返る。「でも実際には内戦に巻き込まれ、むしろ状況を悪化させていたのです」

 2009年、アフガニスタン南部ザブール州で米国務省職員として、米政府上級代表を務めていた。

 米軍が進出すると、イスラム主義勢力タリバンが「外国人による占領から人々を救うため」として駆けつけ、戦闘が起きる――。それが典型的なパターンだった。

 山奥の村に出向いた時、地元の人々に言われた。

 「タリバンが姿を見せるのは…

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