天皇ご一家が皇居での生活開始 上皇ご夫妻は改築後の赤坂御所へ

杉浦達朗

 天皇、皇后両陛下と長女愛子さまは6日、長年住んでいた赤坂御所(東京・元赤坂)を離れ、皇居に移った。当面は宮殿に滞在し、引っ越し作業が終わった後、15日から新御所での新生活を始める。

 今後、赤坂御所はバリアフリー化の工事が行われ、完成後、上皇ご夫妻が仙洞仮御所(東京都港区)から移り住む。

 転居にあたり、両陛下は宮内庁を通じて感想を公表し、「歴代の天皇がお務めを果たされる上での礎となってきた皇居に移ることに身の引き締まる思いが致します」と明かした。また、コロナ禍に触れ、「この機会に改めまして、現在の新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束に向かい、人々が安心して暮らせる日が一日も早く訪れることを心から願っております」とした。

 6日午後、ご一家は職員らに見送られて車で赤坂を出発した。転居は代替わりに伴うもので、上皇ご夫妻が昨年3月に仙洞仮御所へ移った後、御所の改修工事が進められてきた。当初は今春までに移る予定だったが、新型コロナの影響で工事が遅れた。

 宮内庁によると、天皇ご一家は引っ越し作業中、那須御用邸(栃木県)への滞在を検討していた。だが、天皇陛下はコロナ禍で国民に県境をまたいでの移動自粛を呼びかけていることや、職員や現地の人たちの感染リスクを考え、遠方への移動を懸念。陛下自ら宮殿活用の可能性を示し、異例の滞在が実現することになったという。

 宮殿には本来住居としての機能はないが、寝具などを持ち込むという。(杉浦達朗)

「身の引き締まる思い」

 転居にあたり、両陛下が寄せた感想は次の通り。

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 多くの年月を過ごし、慣れ親しんできた赤坂御用地を本日離れることに、寂しさと深い感慨を覚えます。それとともに、歴代の天皇がお務めを果たされる上での礎となってきた皇居に移ることに身の引き締まる思いが致しますが、心を新たに日々の務めを果たしていきたいと思います。

 上皇上皇后両陛下には、私たちが赤坂で過ごしてきた日々を温かくお見守りいただいたことに心から御礼を申し上げます。また、長年にわたり赤坂御用地での生活と務めを支えていただいた多くの関係者や、今回の吹上の御所の改修など、皇居での新しい生活の基盤を整えていただいた関係者の皆さんに、深く感謝致します。

 この機会に改めまして、現在の新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束に向かい、人々が安心して暮らせる日が一日も早く訪れることを心から願っております。