タリバン「全土掌握」を宣言 徹底抗戦した難攻不落の州も「制圧」

アフガニスタン情勢

バンコク=乗京真知
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 アフガニスタンで政権を崩壊させたイスラム主義勢力タリバンは6日、国内34州のうち唯一掌握していなかった北東部パンジシール州を「完全に制圧した」と発表した。同州では反タリバン勢力が激しく抵抗していた。

 タリバン報道担当のムジャヒド幹部が、同日の記者会見で「交渉が決裂したため、武力を用いざるを得なかった」と説明し、「全土掌握」を宣言した。一方、反タリバン勢力「国民抵抗戦線」(NRF)は「州制圧の情報は誤り。我々は戦う」とツイートした。一部が山奥に潜み、抵抗を続けるとみられる。

 山に囲まれた同州は難攻不落の地として知られ、1996~2001年のタリバン旧政権時代も独立を守った。今回はタリバンの宿敵だった北部同盟を率いた故マスード司令官の息子、アフマド・マスード氏が反タリバン勢力を束ね、第1副大統領として政権を支えたサーレ氏や政府軍兵士ら数千人が合流して抵抗運動を呼びかけていた。

 タリバンは政権を崩壊させた8月15日以降、同州を包囲し、反タリバン勢力に投降を求めた。水面下の交渉が決裂し、8月31日から一斉攻勢を開始。同州に続く道を封鎖して補給路を断ち、携帯電話の電波も止めた。激しい攻防が1週間続いたが、9月6日午前には州都でタリバン戦闘員がタリバンの白い旗を掲げる様子とされる動画がSNSに拡散した。

 民族別に見ると、パンジシール州の反タリバン勢力の多くは人口第2のタジク系だ。人口最大のパシュトゥン系のタリバンは、タジク系の抵抗が各地のウズベク系やハザラ系に波及する事態を警戒し、同州の制圧を最優先事項の一つとしてきた。(バンコク=乗京真知