打てないからこそ、やけくそで懐かしむ 「幻の大砲候補」5人

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竜党のつぶやき 中日ドラゴンズへの深すぎる愛

 いきなり愚痴になってしまうが、さすがに中日打線はひどすぎる、としか言いようがない。

中日ドラゴンズにまつわる話題をお届けします。コラム「竜党のつぶやき」は毎月第1火曜日に配信します。

 9月5日現在で、打率、安打数、本塁打数、打点、出塁率、長打率などが軒並みセ・リーグ6チームで最下位である。投手陣がいくらリーグ最高の防御率で奮闘しても、これでは勝てるわけがない。

 怒っていても何ともなりそうもないし、ストレスがたまる一方だ。なので、今回は半分はやけくそ気分ではあるけれど、過去に大きな期待を抱かせて入団した「大砲候補」「長距離砲候補」たちのことを思い出し、懐かしみたい。

 運が味方していたら、ひょっとしたらバンテリンドームに豪快な放物線を何回も描いていたかもしれない、と思いながら。

分断リーグ

 さて、それにしても、実に珍しいシーズンだ。

 5日現在で3位のヤクルトと4位の中日とは10ゲーム差。上位3チームで優勝を争い、大きく開いた下位3チームで最下位を争う。「分断リーグ」と言いたくなるような様相を呈している。

 こんなシーズンは記憶にない。結局、阪神、ヤクルト、巨人と手厚く戦力を補強したチームがやはり上位にいると思う。

 ドラゴンズのAクラス入りは情勢的にはほぼ無理で、私の中の今シーズン分の「応援熱」の残量は、五輪明けの巨人3連戦3連敗をきっかけに、急速に減り、ほぼ底をついてしまっている。

 私は、ツイッターで愛を注ぎ込む若いドラファンに刺激を受けつつ、ついため息をついて、遠い昔を思い出す古い竜党である。

 要するに打線だった。

 京田陽太がやはり打てなかった。高橋周平が期待を裏切り、打てなかった。阿部寿樹が驚くほど打てず、いなくなってしまった。福田永将が心配していたとおり、打てなかった。平田良介があきれるほど打てず、いなくなってしまった。マイク・ガーバーが人間の想像をはるかに超えるほど、打てなかった。根尾昂が期待に応えられず、打てなかった。

 いや、さすがにこれだけ軒並み主力級が打撃不振にあえぐとは、与田剛監督も予想していなかったに違いない。ダヤン・ビシエドと大島洋平だけが期待に応えた。というか他が悪すぎて、絶好調であるとも言えない2人の成績が妙に映えた、ということなのだ。

 8月29日付の中日スポーツコラム「龍の背に乗って」は説得力があった。

 チーム防御率はリーグトップの3・13。99試合のうち59試合を3失点以下に抑えているのに、打線が援護できず、勝ちを逃している試合も多く見受けられるという。なぜ打てないのか。

 「足りないのは能力なのか、指導力なのか、それとも努力なのか」。それを突き詰めるよう迫っている。1年前に載っていても全く矛盾のない記事だし、1年後には絶対読みたくない記事だ。

 「能力」「指導力」「努力」という三つの力は「誰の?」なのか。「指導力」は「監督やコーチの」だろうが、「能力」「努力」は「選手の」とも「監督やコーチの」とも「球団の」とも言える。そして、もうひとつある「力」と言えば、球団の「資金力」だろう。それがこちらは実はいちばん心配なのであるが……。

長距離砲候補たちの記憶

 9月になって急に冷え、秋風が身にしみてきたが、来季に向けてファームの若手有力株を上げて使おうという方針も見られない。

 だから来季を展望する気にもなれない。そこで、「能力」か「指導力」か「努力」の何が欠けていたかはわからないが、不運にも開花しなかった「長距離砲候補」たちの記憶を呼び出したいのだ。

 個人的に真っ先に挙げたいのが、2005年に当時の高校生ドラフト3巡目で指名され入団した春田剛(当時の茨城・水戸短大付高)だ。

 1位は落合博満監督がほれ込…

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