「×」の目が拡散する理由 米アーティスト・KAWSの戦略?遊び?

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聞き手・大野択生
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 米ニュージャージー州出身で、ニューヨーク・ブルックリンに拠点を置くアーティスト、KAWS(カウズ)。ビビッドな色使い、誰もが知るアニメアイコンをほうふつとさせる造形、そして両目が「×」で表されたキャラクターが作品の特徴で、東京・六本木で開かれている展覧会の会場には、若い人も多く訪れているそうです。ただ、個々の作品についてKAWS本人が公に語ることはほとんどないといいます。なぜ、彼は注目されているのか。展覧会の日本側監修を務めた、一般財団法人「東京アートアクセラレーション」共同代表でキュレーターの山峰潤也さんに聞きました。

写真・図版
「ORIGINALFAKE COMPANION」(2006年)=2021年7月15日、東京・六本木の森アーツセンターギャラリー、大野択生撮影

 ――KAWSのトレードマークの両目が「×」印のドクロ(Xedスカル)は、いつから描かれるようになったのでしょうか。

 「KAWSは1990年代ごろから、公共空間にK、A、W、Sの4文字をかたどった壁画(グラフィティ)を描き始めました。その後、街中のバス停などにあるファッション広告のポスターの上から、独特のXedスカルを描くアレンジを始めました」

写真・図版
広告ポスターに絵を描いた1990年代の作品=2021年7月15日、東京・六本木の森アーツセンターギャラリー、大野択生撮影

 ――「×」印は何を意味しているんでしょうか。

 「僕の解釈も含みますが、KAWSがやってきた仕事はアイロニカルなものが多い。ストリートにおいて、既存の規範や境界を超えていく一つの破壊行為(バウンダリズム)としてグラフィティを描くカルチャーから考えると、ある種のキッチュな(世俗的な)アイコンに死を与える、という意味で『×』が使われていると思います」

写真・図版
キャンバスにアクリルで描かれた「UNTITLED(KIMPSONS)」(2004年)=2021年7月15日、東京・六本木の森アーツセンターギャラリー、大野択生撮影

 ――グラフィティが破壊行為である、とはどういう意味ですか。

 「グラフィティは、アメリカ…

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